【教員の「こころ」を守る(7)】コミュニケーションエラーを減らすためのルール化

【教員の「こころ」を守る(7)】コミュニケーションエラーを減らすためのルール化
メンタルヘルステクノロジーズの刀禰です。今回は、「コミュニケーションエラーを減らすためのルール化」についてお話させていただきます。引き続き、このコラムで言うメンタルヘルスによる心の病は、「適応障害や軽度のうつ」と定義して話を進められればと思います。
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 メンタルヘルステクノロジーズの刀禰です。今回は、「コミュニケーションエラーを減らすためのルール化」についてお話させていただきます。引き続き、このコラムで言うメンタルヘルスによる心の病は、「適応障害や軽度のうつ」と定義して話を進められればと思います。

 皆さんは、「何となく合わないな…」という上司、同僚、部下がいた経験がおありではないでしょうか。職場のメンタルヘルスという観点からも、この状態は健全とは言えません。前回も述べた通り、職場での適応障害や軽度のうつの要因、いわゆる「ストレッチゾーン」を超えたパニックに陥る要因は、「仕事の量×仕事の質×コミュニケーション(人間関係)」だからです。

 こうした人間関係について、現場ではどう工夫するとよいのでしょうか。残念ながら、万人に効く方法はありませんが、コミュニケーションの質を上げていくことはできます。その方法の一つが「ルール化」です。コミュニケーションでストレスがたまる要因は、「コミュニケーションがズレる状態がある」ためなので、コミュニケーションがズレないようにする=ルール化という考え方です。

 具体的にルール化はどのようにすればよいのかというと、「客観的に誰が読んでも同じ結論になるルール」を意識するとよいでしょう。数値化できるものは極力数値化してください。例えば「遅刻しない」というルールを設定したとします。しかし、それでも渋滞や公共交通機関などの遅延を理由にルールを守れないケースはあるでしょう。そして、遅刻してから、いろいろと言い訳をしてしまう余地を与えてしまいます。私なら、「遅刻しない」というルールをこのように設定します。

 「5分前には席に座っている状態を遅刻していない状態とする。ただし、さまざまな事情で間に合わない場合、上席に期限の時間より前に電話もしくはメールで必ず報告する。これが『遅刻しない』ことを完遂する一連のプロセスとする」

 「ルール化」では、ここまで行うことが求められます。つまり、解釈の余地を極限まで削ることがルール化なのです。解釈の余地が削られている状態であれば、職場でのコミュニケーションによるストレスは少なくなるはずです。

 とは言いつつ、私自身も100%できているのかと問われれば、「できている」とは言えません。それでも、ルールに解釈の余地を入れないというのは、重要な考え方ですので、ぜひ皆さんの職場でも取り入れてみてください。部下の立場でも、上司が何を言っているのか分からないとき、解釈の余地がないような確認をすると、コミュニケーションのズレは少なくなるでしょう。

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