将棋の藤井聡太七段がまた快挙を成し遂げた。棋聖戦で渡辺明棋聖を破り、初タイトルを獲得し、新棋聖となった。しかも17歳11カ月はタイトル獲得の最年少記録を30年ぶりに更新しての快挙だ。14歳2カ月の史上最年少でプロ入りしている。これまで藤井さんの成長を楽しみに見守ってきた。デビューの竜王戦で加藤一二三九段に勝利。その後、歴代1位の29連勝、中学生で初めて五段に昇段、朝日杯優勝、史上最年少15歳6カ月で棋戦優勝、六段昇段、竜王ランキング戦連続昇級により史上最年少で七段に昇段、升田幸三賞を受賞している。今年6月の棋聖戦でタイトル初挑戦した。王位戦にも初挑戦者となる。破竹の勢いのようだが、この3年間タイトル戦への挑戦は中途で跳ね返されてきた。行き詰まったかなと見ていたが、今回の初挑戦で栄冠を獲得した。うれしい快挙だ。何が進化したのか。新聞では自分の対局を徹底的に検証した、強さの秘密は研さんにあると報じていた。コロナの影響で公式戦ができない間、自分の将棋を見つめ直したそうだ。タイトル獲得後の色紙には「探究」の2文字が書かれていた。「まだ分からないことだらけ、探究心をもって盤上に向かっていきたい」と語っていた。新時代にふさわしい2文字だ。藤井棋聖は7月19日で18歳となり選挙権を持つ大人の仲間入りをした。若者の星である。記憶にしっかりと残っている昭和の大山康晴永世名人、そして平成の羽生善治永世七冠に続く巨星となることを期待し、さらなる進化飛躍を楽しみたい。