(鉄筆)10代の投票率低迷……

(鉄筆)10代の投票率低迷……
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 統一地方選挙が終わり、新しい首長や議員が出そろった。一方、2015年の法改正で選挙権年齢が引き下げられたが、10代の投票率低迷が問題になっている。直近の22年参議院選挙では全体の投票率52.05%に対し10代は35.42%、21年衆議院選挙では全体55.93%に対し43.21%だった。若者の政治離れは今に始まったことではないが、少子化を迎える将来に向け不安がよぎる。

 政治に関心をと大上段に構える大人たちの姿勢から見直したらどうか。われわれの生活と政治は密接なつながりがある。若者の普段の生活から政治を考える、そんな機会を増やしてみるのだ。

 機会提供の場はやはり学校だ。中学校学習指導要領社会科の公民的分野では初めに社会生活の課題について学習し、次に身近な生活から経済活動やその仕組みと政府の役割について学び、最後に法律や政治について学習する。この考えを応用し中学校や高校の「総合的な学習(探究)の時間」でさらに主体的な活動を展開するのだ。

 文科省や本社が後援するESD大賞に参加する各校の活動を見ると、子供たちが地域の課題について自治体や企業と連携・協力しながら持続可能な社会の創造に関する提案を大人たちに行っている。その過程で子供たちは法律の大切さ、議会や行政組織の役割を実感している。まさに「生きる力」の習得である。

 こうした地域や世界の課題を把握しその解決に向けての提案をする学習を通して立法や行政、司法に対する関心を持ってくれることが、大人たちが次世代に行うべき本来の姿勢ではないだろうか。

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