グローバル化は日に日に加速しており、英語ができれば将来の選択肢は一気に広がる。そのため、子供の英語力を高めるための具体的な方法を探すことに、奔走している保護者は多い。本書は今知っておくべき英語の学び方を多角的に紹介する。
序盤は英語力の必要性だけでなく、日本の英語教育が世界から取り残されている現状を説く。そして、「日本の大学の学費は世界的に見たら非常に高いので、日本の大学に行かせるのと同じ費用ぐらいで行ける海外の大学はいろいろあります」と提案。日本と海外の出身大学別の平均年収も載せ、国外に目を向けることがいかに大切であるかが分かる。
中盤では、「バイリンガル教育が子どもの言語発達を遅らせるエビデンスはいまのところ存在しません」と読者の不安を解消しつつ、家でも取り組める英語の学習方法を示す。「言葉と絵を一緒に覚えると記憶に定着しやすい」という説「Dual Coding理論」を用いた効果的なメソッドから、楽しみながら学べるYouTube動画を紹介するなど、とても幅広い。
日本にいながら子供の英語力をアップさせた3人の保護者のインタビューも終盤に収録。「英語は得意ではなかった」と話す保護者の経験談は共感しやすく、自身の英語力に不安のある人の背中を優しく押してくれるだろう。英語の幼児教育を検討している人に手に取ってほしい一冊と言える。
