(鉄筆)Education 2030プロジェクト……

(鉄筆)Education 2030プロジェクト……
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 OECDのEducation 2030プロジェクトでは、現代の生徒が成長して、世界を切り開いていくために必要な知識、スキル、態度・価値を、2019年にラーニング・コンパスとしてまとめている。中心となる概念の一つに「エージェンシー」があり、「変革を起こすために目標を設定し、振り返りながら責任ある行動をとる能力」と定義されている。

 これは教育基本法が定める「主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと」や、学習指導要領が示す、教科横断的な視点に立って「次代の社会を形成することに向けた現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を」育成することと通底する。

 22年度全国学力・学習状況調査の生徒質問紙の回答をみると、「人の役に立つ人間になりたい」に肯定的な回答は95.0%だった。一方「地域や社会をよくするために何をすべきか考えることがある」に肯定的な回答は40・8%。人の役に立ちたいという思いは持ちつつも、何をすべきか考えない、考えられない姿が見えてくる。

 総合的な学習の時間では72.0%が「自分で課題を立てて情報を集め整理して、調べたことを発表する」活動に取り組んでいると回答。果たして自分事の課題を設定できているのか、単に調べて、まとめて、発表して終わりになってはいないか。

 「よりよく問題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力」を育成し「積極的に社会に参加しようとする態度を養う」ことを目標としているのが総合的な学習の時間である。その目標を再度、確認したい。

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