(鉄筆)学力調査……

(鉄筆)学力調査……
【協賛企画】
広 告

 先日、アメリカの9歳児の学力がコロナ禍前と比べて記録的に下がったとの報道があった。全米教育統計センターではリモート授業の増加を学力低下の原因としているとのこと。成績の上位下位に関係なく、リモート授業で困った時に誰かに勉強を見てもらえた子供は3割にも及ばなかった。成績下位の子供は自由に使えるパソコンがなかったり、高速のインターネット回線が備わっていなかったりしていた。子供を取り巻く環境が学力に大きく関わっていると言える。

 一方、日本では今年の3月、文科省の専門家会議による2021年度「全国学力・学習状況調査」についての「経年変化分析調査」の結果が公表された。コロナ禍前の16年度と比較して学力の低下は見られなかった。算数・数学については、学力スコアは高い方へ移動していて、学力が向上しているとも解釈し得るという。

 さらにこの調査とともに公表された「追加分析」では、社会経済的に困難な状況でも、子供とのつながりを絶やさないようにしてきた学校は、平均正答率が高かったことが分かった。

 臨時休業中はもとより学校再開後も、各学校では子供とのつながりを大切にしながら、教育課程を見直して重点化を図ったり、指導方法を工夫したりするなど全教職員が一丸となって教育活動の充実に努めてきた。まさにその成果が示されたと言える。

 このような学校の取り組みを当たり前とするのではなく、きちんと評価し、それに見合った処遇にしていくことが求められる。それが教員の志望者を増やし、質を上げることにつながる。

広 告
広 告