「逆さづり保育士3人逮捕」。おぞましい新聞の見出しが目に入った。静岡県警は静岡県裾野市の私立認可保育園保育士3人を園児への暴行容疑で逮捕した。園などを捜索し、園児への虐待を繰り返していた疑いが強いとみて調べを進めている。
同市はこの園について11月30日に3人の保育士による計15の不適切行為があったと公表。「園児の足をつかみ宙づり」「宙づりにした後真っ暗な部屋に放置」「カッターナイフを見せて脅す」「丸めたござで頭をたたく」「怒鳴りつける、頬をつねる」など。いじめどころかやくざの脅しを思わせる。
公表後4日での逮捕に踏み切ったのは保護者らが不安を募らせるなど社会的影響の大きさを踏まえてのこと。出来事が露見したのは8月17日に市への「不適切な保育」についての通報による。市や園は調査で暴行などの疑いを把握し、園は9月9日に2人を勧奨退職、1人をけん責処分にした。
その後、園が保護者に説明会をしたのが11月29日。30日に市が事実を公表してマスコミなどで大きく取り上げられた。3カ月近くたってからのことであった。この間、園は職員に口止めの誓約書を書かせていた。市は2カ月間対応をしていなかったと報道されている。
園児はいずれも1歳クラスの子たち。暴行などを受けている時、見ている時、どんな気持ちだっただろうか。心に傷が残らないことを願う。保育士の年齢は、30、38、39歳でベテランだろう。罪を問うのはもちろんだが、今後のためにも暴行などに至った背景や経緯、心理などを明らかにしてもらいたい。