できる教師の「対応力」 逆算思考で子どもが変わる

できる教師の「対応力」 逆算思考で子どもが変わる
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 「子供を自立に導くこと」を最終的なゴールに据え、そのために教師にどのような対応力が求められるのかを解説する実用書。序盤から主張が明確で、授業中におしゃべりをしたり反抗したりする子供が出てしまう原因として、「よい授業をすれば、全て解決しますよ」とキッパリ。子供側の問題とするのではなく、本当に子供に良くなってほしいのであれば、教師側が変化する必要性を諭す。

 実際、「こういう子供にはこうやって対応しよう」的なシチュエーションに応じた、子供を変えるための方法論を提案するばかりではない。「教えて引っ張り上げるべきか?見守るべきか?」「信頼関係を醸成できる雰囲気はどう作れるのか?」など教師がやるべきことを踏まえた上で、どう対応すすべきかがまとめられており、ハウツー本とは一線を画す。

 中盤は子供の自立を促すために、ゴールに向かって自分で自分をコーチングして成長させる「セルフコーチング」の必要性を挙げ、その身に付け方を説く。現状維持でも達成できる低い目標を掲げる子供に対して、自己イメージを持たせながら現在のあるべき姿を想像させる対応策は興味深い。精神論や根性論に頼るのではなく、子供に寄り添いながら自立に導くためのアイデアばかり。

 終盤ではやってはいけない叱り方、荒れたクラスで見られる対応など、気を付けるべきポイントにも言及。さまざまなケースでも物おじしない対応力を吸収できる。

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