2020年度から小学校における英語教育が教科化され、小学3、4年では外国語活動、5、6年では教科として外国語を学んでいる。英語は、「自分の思いや考えをうまく伝えられた!」という手応えや実体験がなければ学習への意欲が湧きにくく、苦手意識を持ったり、学習の意味を見いだせなかったりする子供も少なくない。
「英語が通じた。使えた」という達成感が得られるような授業づくりとして、本書はプロジェクト型学習を提案する。修学旅行先の広島平和記念公園で外国人観光客にインタビューし、その内容と自分たちの平和への思いや願いをホームページで公開する、というような授業実践のスタイルである。
前半の「理論編」では、新学習指導要領に基づいた英語のプロジェクト型学習の理論について解説。後半の「実践編」では、小学校から中学校までの10の事例を紹介し、教室内にとどまらず外部とつながる英語授業のヒントを伝える。いずれの取り組みも、学校行事や地域交流と絡めたり、教科横断型の活動としたりするなど工夫することで、子供たちが自然と英語で表現できるようデザインされている。
学習してきた英語を試行錯誤しながら活用し、楽しみながら学びを進めていくのがプロジェクト型学習の特徴である。教科書の単元に合わせた目標を定めながらも、学習の成果を現実社会で活用し、英語学習の価値・意味へとつなげていくことができる。