(鉄筆)最近の箱根駅伝の選手指導……

(鉄筆)最近の箱根駅伝の選手指導……
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 前回に続き箱根駅伝を話題に、最近の学生選手の指導に焦点を当てる。今年は駒澤大学が総合優勝した。出雲駅伝、全日本大学駅伝に続いて勝利し、大学駅伝3冠の快挙。

 指揮官の大八木弘明監督は1995年に駒大コーチとなり、2004年に監督就任、指導者として箱根駅伝優勝8回、大学3駅伝に計27回優勝しているが、今季限りで退任する。

 強かった時代には厳格だったが令和に入って双方向のコミュニケーションを重視、練習内容の選択肢を与えるようになった。主将の山野力選手は「自分たちで考えるよう、自覚を促してもらった」「寮での上下関係の緩和を一層進めた」と語る。目標に一人一人が主体的に取り組むことやチームの団結を重視している。

 同じことは、大学ラクビー選手権で9連覇し帝京大学の黄金時代を築いた岩出雅之前監督にも見ることができる。従来の体育会系の文化・部運営を改めた。掃除や洗濯は上級生が率先し、下級生が余裕を持てるようにする。上・下級生のコミュニケーションを大切にする。監督は学生に答えを与えず主体性を伸ばすなどチーム作りを進めた。コーチというより「教育者」としての側面を大切にする指導者と評価されている。

 学校では「主体的・対話的な学び」が重視されている。子供たち一人一人の「主体的・対話的な学び」が幼保から義務教育で深まり、高校・大学で質の高いものにおのずと開花するように導き支えることが望ましい。幼保・小・中・高・大の一貫性のある教育のさらなる確立のため、教師の自覚、リーダーシップと実践力に期待したい。

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