(鉄筆)少子化対策……

(鉄筆)少子化対策……
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 「チルドレンファ―スト」――。東京都の小池百合子知事が発した。18歳以下の子供を持つ全世帯に対して所得制限を設けずに一人当たり月額5000円を給付する制度を23年度から実施するという。少子化対策の一環で高額な子育て費用に対応する給付事業。

 ばらまきの批判に対して「子育ては将来への投資、ばらまきという批判は当たらない」というがどうか。5000円が助けになる家庭はあるだろう。一方で「子供の小遣いにもならない」という家庭もある。税金を払う身にすればばらまきにしか見えない。

 少子化対策について歴代政権は分かっていても手を付けず、どうにもならないところまで来た。岸田首相は、異次元の3本柱と称して「(1)児童手当などの経済的支援の強化(2)学童保育や病児保育、産後のケアなどの支援拡充(3)働き方改革の支援の推進」を掲げた。問題は財源確保。これまでも財源を確保できず結局絵に描いた餅で終わってきた。首相のリーダーシップの発揮を期待したい。

 少子化対策に金を使うだけでなくなすべきことがある。子供たちの心の豊かさだ。ユニセフの子供の幸福度調査によれば、「精神的幸福度」は先進国38カ国中37位。精神的幸福度は、生活に満足している子供の割合と子供の自殺率が指標。わが国は「生活に満足している」と答えた子供の割合が最も低い国の一つで、子供の自殺率は非常に高い。

 こうした根本的な課題が解決されなければ子供の未来、国の未来に暗い影を落とす。この対策を強力に並走させ、バラマキでないことを実証してもらいたい。

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