学級集団づくりの第一人者である著者が、ロングセラー『学級集団づくりのゼロ段階』を継承し、自治的な集団を成立させるための手順を解説する。
河村茂雄 編著図書文化社2420円
これからの時代を生きる子供たたちは、複雑な現象から自分で問いを立て、その問いに対する妥当な解を見いだし、誰かと協力しながら正解となるように行動できることが求められることから、今後目指すべき学級集団とは、児童生徒が相互に積極的に関わり合い、協働学習し合えるような集団である。本書では、「自治的な集団」と「主体的に協働的に行動できる学習者」に至るまでの内容と育成プロセスを詳しく紹介する。
「学習環境となる集団づくり」で、1年間の学級集団づくりの進め方を示し、1学期、2学期、3学期に取り組むべきことと留意点を解説する。続く「学びを加速する指導行動のツボ」では、自律性を高めるツボ、協働性を高めるツボを15個紹介、「学びを加速する授業づくりのツボ」では、5つの集団のタイプ別に全ての児童生徒が学びに向かう授業づくりのツボを示す。「発達を踏まえた取組みのポイント」では、小学校低学年、中学年、高学年、中学校、高校それぞれの学級集団づくりのポイントを伝える。
本書で目指す集団づくりはハイレベルであるが、挑戦する価値があると著者は指摘する。多くの先生に手に取ってもらい、学級づくりを考える参考にしてもらいたい。