自信を持って友達と言える存在はおらず、どこか物寂しさを抱えている男子小学生の〝ぼく〟。そんなぼくの憩いの場はオンラインゲームの世界。

　ある日、たまたまパーティーを組んだ〝勇者〟と意気投合し、チャットを楽しむ仲に。

　ただ、学校で起こしたトラブルを話したことから、勇者がクラスメートであり、女子の松岡さんであることを知る。最初は動揺したぼくだったが、これまで通りに話をしていた時、松岡さんから自身の秘密を教えてもらい、ぼくの見方が変わっていく――。

　オンラインゲームは不健全な印象が持たれやすいが、〝居場所〟と捉える子供も少なくない。

　子供がなぜゲームに没頭するのかを知ってもらうために、大人にも読んでほしくなる作品だ。