「面白さ、先生が教えてくれた」 数検表彰式で受賞者

学校の先生が、数学の面白さを教えてくれた――。日本数学検定協会が主催する「数検」グランプリの表彰式が7月24日、東京大学であった。2018年4月から19年3月までに「数学検定・算数検定」を受検した約36万人の中から選ばれた29人が受賞した。

文科大臣賞に輝いた山梨大学教育学部附属中学校2年の藤原楓奈子さん

最優秀賞に当たる文科大臣賞は、小中学生で実際の学年より上の内容を学習して高い数学力を身に付け、優秀な成績を収めた児童生徒に贈られる。

準1級に合格して同賞に輝いた、山梨大学教育学部附属中学校2年の藤原楓奈子さんは「小学生のとき、担任の先生が算数を教えながら、それが実生活とどのように関わるかを教えてくれたことで、数学に強い関心を持った」と振り返る。

「次は1級を目指す」といい、「将来は医師になり、大好きな数学など理数系の学問を生かして、人のために役立つ仕事がしたい」と夢を語った。

受賞者で最高齢の69歳、大森正高さんは1級に合格して金賞に選ばれた。「高校を卒業してから40年以上、典型的な会社人間で数学とは全く縁のない日々を送っていた」と語り、「定年退職して『何をしようか』と思ったとき、中学校や高校で先生方が教えてくれた数学の面白さを思い出した」と言う。

「昔を思い出しながら懸命に勉強し、数検を受けては無残な気持ちで問題用紙を持ち帰るという経験を7年ほど繰り返した」と述べ、「数学は本当に難しく、奥が深い。1級に合格してようやく山のふもとにたどり着いた。面白さを教えてくれた先生方に感謝している」と話した。

同協会の会長を務める理化学研究所栄誉研究員・東京大学名誉教授の甘利俊一氏は「世の中に数学嫌いも多いのは、教育課程に固定化され試験の対象となり、解き方を知識として暗記し、すばやく応答するという技に変えてしまったからではないか」と指摘。

「数学には、人間の本性に根ざす『考える喜び』『筋道立てて推論し、解を求める喜び』がある。だから数学者にならなくても、理系はもちろん文系の人にも、数学の楽しさを知ることが役に立つ。これは人類が築いた文化だ」と語った。