スマホ持ち込み「依存症の危険」指摘 文科省有識者会議

学校へのスマホや携帯電話の持ち込みについて議論している文科省の有識者会議は10月11日、同省で第6回会合を開催。日本私立小学校連合会の斎藤滋副会長や久里浜医療センター精神科の中山秀紀医長が「学校は子供たちにとってネットの世界から離れられる貴重な場所」などとして、保護者の危機管理意識の低さや、子供がネット依存症に陥る危険性などを訴えた。

ネット依存症のリスクなどについて意見を交わした有識者会議

私立桐光学園小学校で校長を務める斎藤副会長は、神奈川県の私立小学校を対象に実施したヒアリング結果を示した。それによると、回答した24校中21校がスマホや携帯端末の持ち込みを認めている。多くの学校が届け出制や許可制をとっており、スマホを禁止してキッズ携帯のみの持ち込みを認めている学校も多かった。許可を申請する保護者を対象に、子供と携帯電話について講習会を開催している学校もあった。

ヒアリング結果を受けて斎藤副会長は、携帯電話の取り扱いを巡り、学校と保護者の間に意識格差が生じていると説明。学校では非常時のみの使用と定めていても、保護者から日常的にメールなどで連絡がくるケースが目立つとことから、「保護者の危機管理意識の低さが子供たちを混乱させているように思う」と説明した。

また所属校の児童については「学校はネットやSNSから解放される場所として、児童たちは安心しているように感じる」と話した。

中山医長はネット依存症やゲーム依存症の患者を多く診ている専門医の立場から、「一般的に子供は大人と比べて誘惑に弱い」と指摘。「手元にスマホがあると授業中でも触ってしまうだろう。学校にいる時間は、ネットやゲームのやりすぎにストップをかける貴重なもの。それが失われると、依存症のループにはまる危険性が高まるのではないか」と述べ、学校への持ち込みに危惧を示した。

さらにゲーム依存症などで通院する中高生を診断してきた経験から「何かのきっかけで学校に行けなくなり発症するケースが多い。家でスマホやゲームを触る時間が増え、自身でコントロールができなくなり、依存症に陥る」と報告。「大人の依存症は仕事など生活に直結する問題で、改善も促しやすい。一方で子供の依存症は、(発症中も)保護者が日常生活を賄うので、自身が困ることが少なく、長期化しやすい」と危険性を訴えた。