AEDとは、Automated Extemal Defibrillatorの頭文字を取ったもので、日本語では「自動体外式除細動器」と言います。胸の上に貼った電極のパッドから自動的に心臓の状態を判断し、心室細動を起こしている場合に強い電流を一瞬流して心臓に電気ショックを与え、心臓の状態を正常に戻す機能を持っています。
2017年1月13日、福岡県大川市の小学校の校庭でハンドボールゴールが転倒し、小学4年生の男の子が死亡しました。私はその新聞記事を読んで「まだ、こんなことが起こっているのか!」とがくぜんとしました。過去には04年1月13日に静岡市の中学校でサッカーゴールが転倒し、中学3年生が死亡する事故が起きていました。
日本スポーツ振興センターの災害共済給付のデータ(2021年度)を見ると、小・中・高校の負傷・疾病の発生件数は約75万5千件に上り、その9割以上は負傷によるものです。最近では、学校安全計画の中で安全教育の充実が求められていますが、現在のところ児童生徒が「事故の予防」について学ぶ機会はほとんどないと思います。今回は、児童生徒への安全教育の具体例を紹介します。
身体の中で生じた熱を体外に放散することができず、体温が異常に上昇し、脱水を合併した状態を熱中症と言います。熱中症が発生する要因には、環境要因として気温・湿度、直射日光、風の有無などがあり、人の要因として体格、体力などの個人差、健康状態、体調、疲労状態、暑さへの慣れなどがあり、それらに運動の強度、内容、継続時間、水分補給などいろいろな要因が関わっています。
水泳に関連する事故も重傷度が高い事故の一つです。日本スポーツ振興センターの死亡見舞金・障害見舞金の事例(2005~21年度)のうち、水泳中の事故は118件(死亡:22件、障害:96件)でした。事故発生時の状況を見ると、プールへの飛び込みスタートに起因する事故が47件(40%)、転倒・接触が24件(20%)、溺水が8件(7%)、その他が39件(33%)でした。
重傷度が高い事故として、食べ物による窒息があります。乳幼児と高齢者に多い事故ですが、小中学生でも起こります。人は二足歩行のため、空気の通り道と食べ物の通り道が喉頭部で交叉しており、食べるという行為には常に気道異物や窒息のリスクを伴っています。いったん、食べ物が口の中に入ると、外部から嚥下(えんげ)をコントロールすることはできません。
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