いよいよ今回で最終回となってしまいました。読者の皆さんには限られた文字数の中でできる限りお伝えしようとしてきましたが、十分お伝えできなかったのではないかと反省しております。今回の私からの提案にご興味を持ってくださった方は、拙著『教師のための「非認知能力」の育て方』(2023年、明治図書)を参照ください。
今回は次のステップへ歩を進めることにしましょう。このステップでは「ギミック(仕掛け)」がカギになります。これまで、極力皆さんに聞きなれない横文字を避けてきたのですが、今回だけはこの横文字を使わせてください。
皆さんは、これまでもよく使われてきた「心豊かさ」をどんな非認知能力としてイメージされますでしょうか。言い換えるなら、子どもたちが心豊かになっていくためには、どのような非認知能力が必要なのでしょうか。決まった正解などはありませんし、辞書に書かれている通りのことが求められているわけでもありません。各校の先生たちが(もしくは子どもたちも)「心豊かさ」を共通理解する中で、どのような力へと具体化できるかが問われているのです。
今回から、いよいよ教育現場でいかに子どもたちの非認知能力を伸ばしていくのかの実践的な内容になります。そして、ここからキーワードとなるのが、前回の最後に登場した「教育実践ステップ5.0」です。一言で言えば、「学びに向かう力、人間性等」という非認知能力を「できる先生」が個人的に伸ばすのではなく、「チーム学校」として組織的に伸ばしていくために体系化した5つのステップのことです。
前回まで、先天的な気質を踏まえて、後天的に意識を働かせて行動を変え、その行動を習慣化していく中で、何らかの非認知能力を伸ばすことが期待できると説明してきました。そして、そのために大人が子どもたちにできる働き掛けについても紹介しました。
「言行一致」という言葉があります。私の好きな言葉の一つです(反対に嫌いな言葉は「口だけ番長」です)。前回登場した価値観は、言葉で発することもできます。しかし、せっかく言葉で良いことを言っていても、行動が伴っていなければ周囲から信頼されないことは、誰もがご存じのことでしょう。
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