なぜ、学会発表なんていう難しそうなことを、中高生がプロ研究者に交ざってできたのか。研究とは「先行研究を踏まえつつ、世界で初めての発見をする」営みです。そして、研究型探究を実践するためのポイントは、自分の立ち位置を生かすということです。例えば、京都教育大学附属京都小中学校は毎年度、探究学習の中で、希望者が福島県を訪問しています。この学校から昨年度、「福島学カレッジ」という研究実践プログラムに参加した中学生は、研究の問いを考えるワークショップの中で「自分は家で保護犬を飼っている。災害時にペットがどうなるか研究できないか」と言ってきました。こちらでもサポートしながら「ペット同伴避難」について調べると、ペットと防災について行政やNPOが一定の言及や活動をしているものの、先行研究がほとんどないことが分かりました。