いよいよ本連載も最終回となりました。前回は保護者や教師など、子どもの支援者の方々に向けて、支援者自身もストレスやトラウマを体験することやセルフケアを行うことの大切さについてお伝えしました。
保護者や教職員は、家庭や学校など子どもたちが多くの時間を過ごす場において、子どものケアやサポートを提供する身近な支援者となります。今回は、子どもの周りの大人、保護者や教職員の心のサポートについてお伝えします。
ストレスやトラウマについて知り、対処方法を学習する機会を提供することは、子どものレジリエンス(回復力)を高めることにもつながります。
第6回で紹介したサイコロジカル・リカバリー・スキル(SPR)は、主として精神保健領域の専門家である対人援助職が用いることを想定したものです。一方、初期対応で用いる心理的応急処置(PFA)以外にも、非専門家である周囲の大人(親や教師)が子どもの心のサポートのためにできることがあります。
心理的応急処置(PFA)は、子どもたちが出合うかもしれない災害、犯罪、事故などの危機的な出来事の最中や直後、虐待を受けた子どもへの即座の支援的介入として、全ての支援に関わる人が実践できる初期対応です。今回は、中期以降の心理的支援について紹介します。
第4回に続き、第5回では心理的応急処置(PFA)の行動原則とさらなる支援を必要とする場合の見分け方を紹介していきます。PFAの行動原則は、「見る(Look)」「聴く(Listen)」「つなぐ(Link)」です。英語の頭文字をつなげると「3L」になります。
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