【教師の仕事をデザインする(2)】変化は自分自身にしか起こせない

【教師の仕事をデザインする(2)】変化は自分自身にしか起こせない
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 今回は、先生の仕事を好きになる新たな考え方として、この連載の全体像をお話しする。

 昨今の学校の状況の中で気になるのは、「精神疾患」によって休職をする先生が多いこと。実はボクの友人にも、以前ははつらつと働いていたのに、「今、ちょっとお休みをもらっていて…」という仲間がいる。心をすり減らしながら働く日常が当たり前になってしまっていることが、気にならない日はない。

 制度に頼ろうとしてもスピード感がない…。自分自身は決して手を抜いていない。これ以上どうすればいいのか…。そんなうっすらとしたモヤモヤが目の前を覆っていて、心が耐えられない状況だろう。

 ただボクは、自分自身を変化させることで、ある程度はその状況に対応できると信じている。変化は自分自身にしか起こせない。誰かのせいにするのではなく、愚痴をこぼすのではなく、自分自身が少しずつできることを増やしていくのだ。

 変化を生み出すための大枠は次の3つ。

  • 枠組みを捉え直す
  • 望むものを生み出す
  • 自分を拡張する

 図も参照しながら、各項目を見ていく。

先生の仕事を好きになる新たな考え方

 「枠組みを捉え直す」では、今までの枠組みを変化させていく。図の③「何を繰り返しているのか把握する」で、ルーティンという繰り返しの枠組みをより意識し、④の「ナマモノであるタスクを捉えるタイムデザイン」で、考え方を「やることを管理する」から「人生の時間を管理する」に変容させていく。また、「動かしてみて考える」というPDCAとは一線を画す考え方を取り入れる。今まで無意識に持っていた枠組みと自身の行動を振り返ることで、自分の中に小さな変化の種火をつくっていく。

 「望むものを生み出す」では、自分たちが大事にしたいことは何かを考える。⑦の「解決したいものより生み出したいもの」では、ボクら先生が陥りがちな問題解決思考についても触れる。そうすることで「では、どうしたらいいのか」も実感してもらえるはずだ。その上で⑥の「子どもと共創する」とはどのようなことなのかを深掘りしていきたい。

 最後に「自分を広げる」こと。根底にある「学習とは何か」をじっくり考えたい。そして、⑧の「越境して学ぶこと」や学んだことを捨てること、「自分とは何か」を考え続けること。そうした営みが、仕事を好きになる上で皆さんの考えるきっかけになるとうれしい。

 この原稿を書いている瞬間にだって、既に構想段階とは違ったものが生まれてきている。ボクらは絶えず変化し続けていく。この連載が終わる頃には、「先生の仕事を好きになる考え方」がさらにボク自身の中で変容していくことも願いながら、さまざまな情報をお届けしていく。

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