今回は「在り方(being)」を定めるための、自分との向き合い方についてご紹介します。
在り方は、自分の軸とも言えます。そして、その軸を支える土台になる部分を「自己基盤」と言います。例えるなら、道端に立っている木は、土壌の状態が悪いと育たずに枯れてしまうことがあります。建物を建てるときには、先に土地の地盤を整えなければ崩れてしまいます。人の心も同じ。見えない部分こそ大切なのです。
ここからは「自己基盤」を整え、自分の望む人生を歩むために必要な「10のステップ」を紹介します。
Step1:自分を知る(知っている自分も、知らなかった自分も)
Step2:どんな自分も受け入れる(良いも悪いもなく、ただそうである)
Step3:どんな過去も受け入れる(経験は全てギフト)
Step4:不要なものを手放す(思い込み、とらわれ、制限)
Step5:大切なものに気付き、残す(価値観、想い、ブレても戻れる軸)
Step6:理想を描く(軽くなった自分で自由に描く)
Step7:理想に向かって生きると決める
Step8:理想に向かうアクションプランを描く
Step9:理想に向かって行動する
Step10:繰り返しトレーニング(心の筋トレ!)
筋トレは1日では効果が現れないし、変化はすぐには目に見えません。それでも、地道に続けていくことで、1カ月後、2カ月後には、今までになかった腹筋が手に入ったりします。とはいえ、時に一人では挫折しそうになるときもあるかもしれません。そんなときこそ、コーチの出番!です。
コーチングには、三原則というものがあります。「インタラクティブ(双方向)」「オンゴーイング(現在進行形)」「テーラーメイド(個別性)」です。
先述したコーチングの10のステップでは、まさしくこの三原則を大切にしています。コーチとクライアントの対話は「双方向」であり、一度きりではない「現在進行形」の継続的かつ一人一人に合った「個別性」の関わりをすることが求められるのです。
それに加えて、否定もジャッジもない安心が必要です。これはまさしく、教員と子どもたちの在りたい関係性と同じではないでしょうか。
教員が、子どもたちの「大切にしたい想い」を一緒に見つけながら、10のステップを行ったり来たりしながら進んでいく。教員が代わりに筋トレをしてあげることはできなくても、「あなたならできる!」と信じて応援することはできます。
私が講演や授業で、子どもたちに伝えていることがあります。それは「誰も代わりに勉強はしてくれない。誰も代わりに夢はかなえてくれない。でも大丈夫。あなたには、かなえる力があるよ!」という言葉です。
そのためにも、まずは教員自身が同じステップを進み、自己基盤の大切さを感じてみてはいかがでしょうか。