今回は、私の人生を変えるきっかけとなったコーチングとの出会いについて、お話しさせてください。
私が生まれた頃、父がアルコール依存症になりました。絶えずお酒を飲み、暴力、ギャンブル、借金、浮気を繰り返し、私が6歳の時に両親は離婚しました。私は父と二つ上の姉と共に、父方の祖父母に引き取られます。そこから高校を卒業して家を出るまで、朝まで安眠できたことがありません。
母に心配をかけないように、祖父母に迷惑をかけないように、私は「悲しい」「寂しい」という感情を封印し始めました。親のためなら、我慢も自己犠牲もできてしまうのが子どもなのです。
「私は大丈夫」という言葉とともに、顔で笑って心で泣いてを繰り返すうちに、自分が分からなくなりました。何が好きで、何をしたくて、どんな気持ちなのか。自分のことなのに、聞かれても答えられません。
外では人に嫌われないために、いじめられても笑って過ごし、望まない言動を繰り返す自分に嫌になり、「私が生まれてきたから、家族が壊れたのかな?」「私が生まれてこなければ、家族は仲良く暮らせたのかな?」と考え、せめて誰かの役に立たなければ、私には生きている価値がないと思うようになりました。
そんな自己否定の37年が過ぎる頃、東日本大震災が起こります。明日が来るのは当たり前ではないことを目の当りにして「もう、このままは嫌だ。変わりたい!」と強く思いました。
その年の夏「ライフコーチ」と出会います。考えもしない問いをもらい、狭かった世界が一瞬で広がる体験をして、なんだかずっと探してきた自分を見つけられるような気がしました。
そして「お金がない」「時間がない」「自信がない」と、言い訳ばかりをしていた私の背中を押してくれたのは、当時小1と小3の息子たちでした。「お母さん!やりたいことはやった方がいいよ!」という言葉で、ライフコーチ養成スクールに通うことを決めます。
そこからライフコーチとともに自分と向き合い始めます。本当に大切にしたいことは何か、思い込んでいることは何か、出来事にどんな意味付けをしているのか。それはこれからも必要なのか、手放すのか…。
かつての私は、「誰かのため」とどこかで変えられない外側のせいにして生きていて、一方では自分の意思で大切な人を守ろうとしてきました。そんな自分を責めるのでも、誰かを責めるのでもなく、自分の人生の責任をただ自分で引き受けようと決めました。
過去と他人は変えられない。でも、自分の捉え方と、今ここからの未来は変えられるのだから。
私が変われたのは、自分以上に自分を信じてくれる存在がいたからです。
「だから私も、あなたのことを信じるよ!」
そう伝える活動をしています。