【教師の仕事をデザインする(3)】何を繰り返しているのか把握する

【教師の仕事をデザインする(3)】何を繰り返しているのか把握する
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 前回解説した「枠組みを捉え直す」では、まずは自分の仕事の把握から始めてみる。

 よかったら、目の前に紙とペンを用意してほしい。そこに、あなたが今日(もしくは昨日)やった仕事(タスク)を書き出してみてほしい。付箋で記録を残していたらそれを参考にしてもいいし、自分の記憶に頼ってもいい。あなたは今日、どんな仕事をどれくらいしただろうか。多くの方は、はっきりと書くのが難しいのではないだろうか。

 公立小学校で講師【https://ao-labo.com/instructor/】をさせていただいた際に、実際に毎日の仕事を書き出してもらった。すると、「あれ?俺、忙しくしているけど、毎日一体何をしているんだろう」という言葉が出てきた。このように「忙しい」という感覚が強く残っているのに、何をどれくらいやっているかをつかめていないことが、しんどさにつながっているのかもしれない。

 普段、「仕事に追われているなぁ」という感覚があるなら、まず追われているものの正体を突き止めよう。記憶や記録に残っていないのだとしたら、一度自分がやった仕事を記録してみてほしい。すると、その中に「毎日やる仕事」「毎週やる仕事」「毎月やる仕事」が幾つか交ざっているはず。これらは「ルーティン」と呼ぶことができる、一定周期で繰り返しやる仕事だ。

 実は、先生の仕事の多くは「ルーティン」で成り立っている。毎日授業し、毎週のように計画を立て、毎月出欠簿を打ち込んで管理職に提出する。先生のルーティンについては、著書『先生が知っておきたい「仕事」のデザイン』(明治図書出版)に詳細を載せてあるが、放っておいてもボクらは繰り返し同じ行動をする。例えば、翌週の計画案を作成することをあなたが面倒だと感じているとしたら、1年間で33回、面倒が続く。

 だったら、この「ルーティン」とうまく付き合ってみよう。手順は、①何がルーティンかを把握②ルーティンを変化させられないか考える――だ。②では、仕事を一つにまとめたり、効率的にできる時間帯にやったり、時には誰かに任せられないかと考えたりする。子どもに任せてみることで、お互いの役に立つことだって数多くある。

 なぜ、ボクがルーティンにこだわるのか。それは、ルーティンには脳が疲れにくいという特性があるからだ。繰り返すことは、負荷なく毎日の中に浸透していく。やったことがないこと、経験がないことの方がはるかに疲れるという意見には、皆さんも同意してくれるはずだ。

 ルーティンを味方につければ、余計なことにエネルギーを使い過ぎず、大きな仕事にエネルギーを残しておくことができる。だから、まずは何を繰り返しているのか把握することから始めてみよう。

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