【Be the Player~人口6万人のまちからの教育改革~(3)】 プロジェクト1「学びを変える」

【Be the Player~人口6万人のまちからの教育改革~(3)】 プロジェクト1「学びを変える」
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 今回から、加賀市の「学校教育ビジョン」の柱となっている四つのプロジェクトについて紹介していきます。まずはプロジェクト1の「学びを変える」です。

 プロジェクト1では「社会の変化」と「子どもたちは一人一人違う存在だ」という二つの前提のもと、学びのコントロール権が子どものものになるように、子どもたちが自ら学びのプレイヤーになれるように、教育観・授業観の転換を目指しています。子どもたちの学びの姿と先生たちの学びの姿は相似形であるという考えのもと、教員研修は集まって(もしくはオンラインで)講義を聞く形のいわゆる「一斉指導型」から、教育委員会所属の伴走チームが先生方と授業準備やチームティーチング、授業のリフレクションを一緒に行う中で進める「伴走型」へと転換を図っていきます。そして、外部から招いた「場づくりのプロ」のファシリテーションのもとで語り合い、聴き合う、対話を軸とした協働型の研修へと変化させています。授業が変わっていく変化のスピードや手法については各学校や学級の実態、先生の思いによって違いはありながらも、加賀市内全ての小中学校で先生方がどのように子どもに学びを委ねていくかを試行錯誤しています。

 市として、変化の進度を一律に合わせるつもりはありません。自立した学習者としての資質・能力と、公立学校として学習指導要領に基づいた資質・能力の両輪で「授業で力を付けていく」ことのバランスを子どもたちの実態を見ながら一緒に考えていきたいと考えています。

 最後に先生の声を二つ紹介します。

 「今までの授業づくりでも、もちろん子どもを主役にした授業を考えてきた。ただ、今年に入って授業についての見方が変わったことで、どうやって授業をきれいに流すかを考えていたことに気が付いた。今は、子ども一人一人の顔を思い浮かべて、『ここでつまずきそうだから具体物があった方がいい』『あの子は動画のヒントがあった方がいい』と本当の意味で子どもを主語に考えるようになった」

 「子どもたちが授業のつくり方について意見をするようになってきた。『この内容は一人でもできるから家でやって、学校では友達がいるこっちの活動に時間をかけたい』『この教科の活動は時間をかけたいから、他教科と組み合わせた授業プランにしたい』と本当の意味で学びが自分事になり、自己調整ができるようになってきた』

 これらの声はほんの一例で、プロジェクトはスタートを切ったばかりです。子どもたちや先生、地域の方や大学、企業等とも連携を取りながら、より良い学びを探究していきたいと考えており、読者の皆様とも一緒に学んでいけるとうれしく思います。

(プロジェクトマネージャー 小林湧)

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