【Be the Player~人口6万人のまちからの教育改革~(6)】教育総合支援センターのリニューアル

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【協賛企画】
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 前回はプロジェクト1の「学びを変えるプロジェクト」とプロジェクト2の「誰一人取り残さないプロジェクト」のつながりについてご紹介しました。今回はプロジェクト2の内容を少し掘り下げてお伝えします。

 まずは教育総合支援センターのリニューアルについてです。廃校となった校舎を活用し、心のエネルギーを回復できることを意識した空間デザインを行いました。地元の方も子どもたちのためにと協力してくださり、一緒にペンキを塗ったり花を植えたりカレーを作ったりする形で子どもたちの居場所づくりが行われています。教育総合支援センター以外にも、小中学校数校では先行してサポートルームを学校内に設置し、サポーターの方も配置しました。

 教育総合支援センターは、学校には行くことができるが教室に入るのが難しい子どもたちが、そのまま学校にも行かなくなってしまう前の居場所として機能しています。早期発見・早期支援の観点で子どもがSOSを出しやすい仕組みづくりにも挑戦しています。GIGA端末からオンラインチャットで相談できるサービスも用意し、学校や保護者に相談しにくい話から雑談に近いささいなものまで相談できるシステムを実証しています。

 また、同じように保護者の方が個人端末から相談しやすいような仕組みづくりにも、連携団体と共に取り組んでいます。さらには、子どもたちの発達の特性に合わせた必要な支援を考えるために、大学や専門家などとも連携しています。

 もちろん行っている活動の全てに、明確な答えが出ているわけではありません。今後も学びの機会を確保することを考えていきたいと考えていますが、教科の学びの前に心のエネルギーの回復が必要な場合もあります。市内に1校しかない教育総合支援センターまで自分で行ったり保護者の方に送っていただいたりすることが難しい場合もあるかもしれません。あるいは、学校の校舎の雰囲気や、学習のイメージが残っている場が苦手な子どもも、そうでない場があれば行くことが可能かもしれません。今、家から出ることが難しい子どもの中で、学びたいという思いがある子どもに対しては、オンラインでの学びが有効かもしれません。

 子どもは一人一人違う、だからこそそろえる教育ではなく伸ばす教育を目指していく。学校に通っている子どもだけでなく、加賀市の全ての子どもたちが誰一人取り残されることのないような方法を今後も考えていく必要があります。

(プロジェクトマネージャー 小林湧)

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