不登校の児童生徒が希望した場合にオンラインによる授業配信ができる学校を100%とする文科省の数値目標案を巡り、盛山正仁文科相は12月26日の閣議後記者会見で、「現場に過度な負担を生じさせないよう配慮する」と述べた。
盛山文科相は20日に開催された政府の「デジタル行財政改革会議」で、教育のデジタル化に向けた数値目標案の一つとして、2026年度には不登校の児童生徒が希望した場合、全ての学校でオンラインによる授業配信が受けられるようにするとの項目を掲げた。一方で、こうした授業配信は現場教員の負担になるとの指摘もある。
盛山文科相は26日の記者会見で、今回の目標案について、3月に策定した不登校支援の総合的対策「COCOLOプラン」の内容を踏まえたものだと説明した。その上で、オンラインなどを活用して不登校の児童生徒を支援する際の体制として、「学校における『働き方改革』の観点も踏まえ、担任一人が抱えるのではなく、管理職や養護教諭、ICT支援員などの支援スタッフと連携して取り組む必要がある」との見解を示した。負担軽減を図るため、22日に閣議決定した24年度当初予算案では、全ての公立小中学校に教員業務支援員を配置できるようにする予算を計上したことも強調した。
目標案は現時点で確定しているわけではなく、専門家や地方教育行政関係者の意見も聞いた上で正式決定する。文科省関係者によると、リアルタイムで同時配信するオンライン授業だけではなく、より幅広い形の配信形態を認める可能性もある。