また、この世代の人たちは、学校教育やインターネットの情報を通して「多様性」「ジェンダーレス」「LGBTQ」などの知識・考え方・感覚が、他の世代に比べて身に付いているとも言われています。そのため、他者に対しても年齢や性別などの属性にとらわれず、「一個人」として接する傾向があります。このこと自体は決して悪いことではありません。ただ、年齢の属性にとらわれないということは、年齢が上だとか先輩だとかいう理由だけで、素直に話を受け入れることはないと言い換えることもできます。
私たちが若い頃は、たとえ上から目線の指導だとしても、一定の効果がありました。でも、それも昔々のお話です。Z世代にとって、上から目線の指導は私たちが考えている以上に「NGの中のNG」だということです。
だからといって、無理をして友達のように話し掛ける必要はありません。「俺はお前より上だ」という空気を出さなければいいのです。そして、一方的に課題や修正点を与えるのではなく、若手教師が自発的に頑張りたいと思うように誘導する指導を行うのです。
一見、難しそうな感じがしますが、ご安心あれ。これらは、子ども相手にはすでに行っていることです。昭和の時代は教師が黒板の前に立ち、一斉指導を行う知識注入型が授業の王道でした。しかし、令和の時代、多くの先生方は学習者の能動的な参加を取り入れた授業づくりを行っています。また、学級づくりにおいても、担任の上から目線が、学級崩壊を誘発する大きな一因になっていることもご存じだと思います。どちらも「上から目線」ではなく「子ども目線」で取り組んでいるのです。
若手教師への指導もこれと同じです。「Z世代の目線」に立って話をすればいいということです。
ただ、押さえるべきポイントはまだあります。次回は、2つ目の押さえどころについてお話しします。