【面接の○回答×回答(201)】体育授業での事故への対応

【面接の○回答×回答(201)】体育授業での事故への対応
iStock.com/kei_gokei
【協賛企画】
広 告

問い

 体育で跳び箱の指導中、子供が跳び箱から落ちて頭部を強打しました。どう対応しますか。

○回答

 頭部を強打しているので、落ちた後の動きを観察して直ぐには動かさないようにします。一方、養護教諭を呼びに行かせます。他の子供たちがパニック状態にならないように座って待たせます。その子の意識の変化や痛み、出血の有無について観察します。意識があっても静かに移動させ保健室で休ませ、養護教諭にその後の対処を依頼します。また、保護者には管理職の指導を受けて、現状を伝えます。放課後その子を家まで送り、直接保護者と話をします。二日間は激しい運動は避けること、夜中に頭痛が酷くなったり、吐いたりして、症状に変化があるときには医療機関を受診するように伝えます。

【コメント】

 ここでは、体育の授業中の事故対応策についての具体的な回答が問われています。本人、他の子供たち、保護者への対応が的確に述べられています。さらに、事故の軽重に関わらず、事故の情報記録が重要です。報告書作成のためだけでなく、指導上の反省や改善に役立ちます。この場合であれば、指導内容、事故の状況、対処法等を時系列による記録と反省を残すのです。

×回答

 跳び箱から落ちた様子を見ます。すぐに起き上がれるかどうかを観察します。起き上がれたら、その子の頭部を観て質問し、大丈夫かどうか確かめます。頭を打っているから少し休ませます。

 その後、本人も大丈夫だというのであれば、様子を観ながら跳び箱の練習を続けさせます。踏切版や手の付く位置に気を付けながら指導を続けます。

【コメント】

 この回答の問題点は次の点です。この子の頭部の観察や言動から大丈夫だと、担任だけの判断で指導を続けています。しかもその後激しい運動をさせています。絶対に避けなくてはいけません。

 首から上の事故は、担任の判断だけでなく養護教諭の指導・指示を受け、悪い場合を想定して万全の対応を取ることが肝要です。

 学習指導中あらゆる場面で事故は起きる可能性があります。事故防止への最善の注意と対応策の徹底が必要です。事故の仮の場面を想定し、そのときの対処の仕方を書き出す対応策の訓練も力となります。

 

広 告
広 告