前回、提出物が出せない子どもを支援するときには、以下の5つに分けて見ていくと、具体的な対策が打ちやすいという話をしました。
5つのプロセスは次の通りです。
①学校で、子どもが書類をかばんに入れる
②帰宅後、子どもが保護者に書類を渡す。
③保護者が記入して子どもに渡す。
④子どもが書類をかばんに入れて学校に持っていく。
⑤学校で、かばんから書類を取り出して先生に提出する。
今回は④以降を解説していきます、
④では、かばんに書類や教科書などを入れる作業中に、それらの物をちょっと小脇に置いたタイミングで、入れ忘れてしまうことがあります。この場合、もし、かばんと書類ファイルが物理的に固定されていれば、こうした問題を防ぐことができます。
そこで、かばんと書類ファイルを100円ショップで売っている、らせん状のバネの付いたキーホルダーで固定するのです。すると、入れ忘れを防ぐことができます。
⑤では、かばんに入れたはずの書類を探しても見つけられない、あるいはそもそも提出することを忘れてしまっているといったことが考えられます。この場合、書類ファイルをド派手な色にしておくと効果的です。
そもそもファスナー付きのファイルの時点で厚みが出て探しやすくはなりますが、子どもの中には多数の物の中から特定の物を探し出すのが極端に苦手なタイプも存在するのです。「探し方が悪い!」と叱らず、認識しやすい色や形状のものを使うなどしてみましょう。特に、かばんの内側の色と反対の色を使うと効果的です。
書類の紛失の問題は、大人になって仕事をするようになると、一大事になります。子どものうちから子ども本人にも「あなたはこのステップでつまずく傾向があるから、こういう対策を自分で考えないといけないよ」と自己理解させておくことが、将来のミスを減らすことにつながります。
くれぐれも「肝に銘じておきなさい」など、精神論で片付けない指導をしたいものです。