第4回 管理職との関わり

第4回 管理職との関わり
【協賛企画】
広 告

 本連載ではこれまで、ミドルリーダーの定義、ハブとしていかに機能するか、必要な資質は何かについて考えてきました。ここからは、職員室におけるミドルリーダーとしての立ち居振る舞いについて考えていきます。

 今回は、管理職との関わりについてです。ざっくり言えば、ミドルリーダーの位置付けは管理職とその他職員との間になります。「ハブ」と言っているように、一番太いパイプでつながっている関係が管理職と言ってよいでしょう。このつながりが太ければ太いほど、ミドルリーダーとして働きやすくなるのは間違いありません。言い方を選ばずに言えば、「命綱」とも言えます。

 このつながりがあるからこそダイナミックな提案が可能になり、調整にちゅうちょをしなくなり、確かな決断につなげることができます。関係性が豊かな管理職は、提案に対するリスクマネジメントのアイデアを出してくれます。調整の際、職員室の見えない関係性や配慮を教えてくれます。そして、決断の背中を押してくれます。ミドルリーダーの仕事は、管理職なしには語れません。それほど、命綱として重要な関わりになってくるのです。

 その際、気を付けておきたいポイントが2点あります。1点目は、学校教育目標や育成課題の熟知と肯定的理解です。管理職の先生は誰よりも学校のことを考え、その指針を示してくれています。その指針に対して最大限のリスペクトを持ち、目的や願いを理解しておくことが重要です。この根っこがなければ、個人的な指向で提案を作ってしまったり、不適切な決断をしてしまったりします。当然、管理職からの理解は得られずにワンマン的な仕事になってしまうでしょう。

 2点目は、良い意味で対等に話すということです。管理職の先生は、まず年上です。経験値も圧倒的に長けています。しかし、学校をより良くしていきたい気持ちはミドルリーダーも同じはずです。

 ですから、言われた仕事を言われたようにばかり進めるのではなく、管理職の顔色をうかがって右往左往するのでもなく、良い意味でフラットに接してアイデアを出し合うような関係であることが重要です。

 すると、「実行委員会議」「◯◯主任会議」「研究推進会議」のような形式的な会議の場ではなくとも、何かあれば職員室でさっと話せるようになってきます。タイパが良いだけではなく仕事にスピード感が出るので、話も進めやすくなります。管理職とのフラットな関係がくさびとなって、大きな岩を砕くきっかけにもなるのです。

 ぜひ、この2点を意識しながら管理職の先生とより良い関係を築き、ミドルリーダーとして骨太な仕事に臨んでいただきたいと思います。

広 告
広 告