第2回 北星社カードゲーム Nuruca~ヌルカ~

第2回 北星社カードゲーム Nuruca~ヌルカ~
【協賛企画】
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 発達のまちまちな子どもたちが、協力し合って達成感を得るにはどうするか――。いつもこのようなことを考えている特別支援学校の先生に、教えていただいた市販の教材があります。「カードゲームNuruca~ヌルカ~」(北星社)です。

北星社カードゲーム Nuruca~ヌルカ~ 1,430円(税込) (株)北星社
北星社カードゲーム Nuruca~ヌルカ~ 1,430円(税込) (株)北星社

 ヌルカは、塗り絵のできるトランプです。1枚1枚のカードに描かれた海の生き物を子どもたちが自由に塗り、AからKまで全てを並べると海の中を描いた1枚の大きな絵になります。色使いや塗り方が違っても、完璧に塗れなかったとしても、1枚の絵になったときには、かえって一人一人の違いが面白く感じられます。

 ヌルカは、特別支援教育の教材として開発されたわけではありません。塗り絵も楽しめるトランプであり、海の生き物たちの名前当てゲームとしても遊べるように考えられたものです。

 いろいろな遊び方ができるヌルカを、一枚の絵を仕上げる「共同作業」に的を絞って用いることで、特別支援学校の教材になりました。先生の着眼点、さすがです。1枚のカードを塗るだけなので一人一人にそれほど負荷はかかりません。子どもによっては、複数のカードを塗ってもよいかもしれません。ヌルカを教えてくれた先生は、「共同作業をすることで、コミュニケーションも生まれる」と話してくれました。

 コミュニケーションというと、会話をイメージしがちですが、コミュニケーションの教材を言葉のやりとりだけにしてしまうと、発語がうまくいかない子、場面かん黙の子は参加しづらくなってしまいます。

 特別支援学校は「いろいろな子がいる」のが前提です。いろいろな子がいる中で使われる教材には、先生の柔軟な発想が必要です。考えてみれば、「いろいろな子がいる」前提は、特別支援学校に限った話ではありません。通常学級も同じです。特別支援学校で使われている教材には、全学校に通用するヒントがたくさんあると思います。

全てのカードを並べると海の中を描いた1枚の大きな絵になる
全てのカードを並べると海の中を描いた1枚の大きな絵になる
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