第7回 ミドルリーダーの学級経営

第7回 ミドルリーダーの学級経営
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 前回は、ミドルリーダーの学年経営について考えました。今回は、学年経営を受けてどう「学級経営」に向き合うかについて考えてみましょう。

 いわゆる「中堅」という年齢層になると、ある程度は学級経営に安定感が出てきます。それは、自身の経験から「うまくいく感覚」を蓄積しているからです。同時に「NG」も見えてきていると思われます。

 私自身の感覚で言えば、「そろえ過ぎない」「見た目や現象にこだわらない」など、「緩める」ことでストレスが随分と減り、伸び伸びとした学級経営ができるようになりました。

 また、言わずと知れた「大声」による指導や「叱責(しっせき)」による見せしめのような指導は、子どもたちのパフォーマンスを圧倒的に押さえ付けることになります。

 蓄積した学級経営の勘所を「より伸ばすため」に使うのか、「コスパ・タイパのため」に使うのかでは、大きく方針が変わってきます。自身が身に付けた力が子どもたちをいかようにでもできる力なのだと強く自覚しなければ、学級は不健全な状態に陥るでしょう。

 そこで私は、「良い別れ方」を常に考えるようにしています。逆に言えば、「依存体質にならない」「自分の中に囲い込まない」「自立・自走を前提とする」とも考えられそうです。

 20代の頃、「古舘さんの後は持ちたくない」「古舘さん、学級王国をつくっちゃ駄目なんだよ」と散々言われたことがありました。今ならその意味が分かる気がしますが、当時は分かりませんでした。

 「来年もこの学級がいいなあ…」と思ったことは多々ありましたし、「来年も先生がいいです!」と言ってくれる子どもたちもたくさんいました。それはそれで良い思い出ですが、今はそうしたいとは思いません。どの学級でも頑張れる子、どの担任の先生でも良い関係を築ける子、他者に依存せず自分の頭で考えて行動選択していける子を育てたいと思うようになりました。

 ミドルと言われ、リーダーシップがあり、太いハブとして機能するような先生がワンマンの学級経営をしたらどうなるでしょうか。誰も何も言えなくなるような状況が生まれないでしょうか。必要以上に周りが気を遣うような職員室にはならないでしょうか。

 ですから私は、「いかに別れるか」「いかに離れるか」を常に意識して学級経営をするようにしています。「良い別れ方」ができる子どもたちは「良い出会い方」もまた身に付けているはずです。

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