第4回 ウェルビーイングな教室をつくる実践①

第4回 ウェルビーイングな教室をつくる実践①
【協賛企画】
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 前回まで「幸せの四因子」を中心として、教室のウェルビーイングを高めるヒントをご紹介してきました。

 共著『ウェルビーイングの魔法』では、「幸せの四因子」を子どもたちにも理解できるように、分かりやすく解説しています。物語形式で4人の子どもたちが冒険の旅に出て、修行をしながら「自分で幸せをつくりだす方法」を学びます。「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」という4つの心を身に付ける具体的な方法が、明日からすぐに使えるように書かれています。

 今回ご紹介するのは、その中でも取り上げられている、「ウェルビーイングダイアログカード」の活用です。このカードは一枚一枚に問いが書かれており、その問いに答えていくことで「幸せの四因子」を高めていける対話カードです。(一般社団法人ウェルビーイング・デザインHP参照)

 例えば、「自分に対してありがとうと言いたいことは?」という「ありがとう因子」を高める問いがあります。多くの子どもたちはこの問いを見たとき、「え?」「そんなのないよ…」と反応します。それもそのはず、普段自分に対してありがとうと考えることなんてほぼありませんから。

 しかし、一人が問いの答えを出すと連鎖反応のように答えが紡ぎ出され、普段当たり前だと感じていることへの感謝の気持ちが生まれたり、互いの視点の違いに気付いたりしていきます。

 他にも

 「自分をもっと好きになるコツは?」

 「人は人、自分は自分と心から思えるコツは?」

 「優しい気持ちを高める方法は?」

 などの問いがあります。

 こうした問いによって、「自分にとっての幸せってどんなことなのか」「自分はどんな幸せに囲まれているのか」に自然と目を向けられるようになっていくのです。

 でも、子どもたちにこのカードを渡してただ対話をさせるだけでは効果は得られません。教師が子どもたちの意見を聞きながら、「いいね、いいね!こんなことを考えている人もいるよ!」と子どもたちの考えを肯定的に受け止めながら、多様な考えを共有することが重要です。

 僕は毎週1回、道徳の授業などで日頃からこのカードを使って対話をさせています。そうした取り組みを通じ、僕自身の幸せに対する感度も高まっていくのを感じます。対話を通じて一人一人が自分の幸せに目を向けることで、クラス全体が温かい雰囲気になっていきます。

 皆さんもぜひこのダイアログカードを使ってみてください。そして、問いを通して自分の幸せに向き合ってみてください。

 「自分に対してありがとうと言いたいことは?」

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