第6回 ウェルビーイングな教室をつくる実践③

第6回 ウェルビーイングな教室をつくる実践③
【協賛企画】
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 前回まで述べてきたように、教室に「幸せの四因子」を取り入れながら学級経営を進めています。

 「幸せの四因子」については、年度の初めに道徳の授業を通して説明しています。学年にもよりますが、多くの道徳の教科書には「ウェルビーイング」または「(自分の)幸せ」について考えるページがあります。そのページと関連付けて「幸せの四因子」を説明し、「自分で『幸せ』はつくり出せる」ということを伝えています。

 ただ、伝えただけでは子どもたちは実感を伴いません。だからこそ、「ウェルビーイング・ダイアログカード」を通して「幸せ」について対話する機会を継続的に設けています。そうすることで、子どもたちは考えの多様性に触れながら自分の幸せの形を探し続けています。

 さらに、「子どもたちの日常の中にウェルビーイングな言葉をもっと増やしていきたい」という想いで始めたのが、「幸せの四因子」にまつわる「言葉集め」でした。

 まず、毎週行う「ウェルビーイング・ダイアログカード」の対話の中で、子どもたちが出したすてきな言葉を集めて掲示することにしました。さらには道徳の時間を使って、「まわりの人を『やってみよう!』という気持ちにさせる言葉を見つけよう」など、「幸せの四因子」を高めるような言葉集めを行い、それらを掲示していきました。

「ありがとう!」や「さすがだね!」などの言葉に加え、「ぜったいできる!」「大丈夫だよ」「そのままでいいんだよ」など「幸せの四因子」を意識したからこそ出てくる言葉も見られました。このようにすることで教室内にウェルビーイングな言葉が増え、子どもたちの対人関係やクラスの雰囲気も良くなっていきます。 

 学校で起こるトラブルの多くは、「言葉」が原因で起きます。「ウザイ」「ダサイ」「キモイ」等々、教室の中でよく聞こえてくる小さな言葉一つ一つが原因となって、大きなトラブルは起きます。

 自分自身をより良い状態にする言葉や人間関係をより良くする言葉は、世の中にも子どもたちの中にもあふれています。そんな言葉を皆が意識的に使えるようになることこそが、ウェルビーイングな教室をつくる大きな一歩であると思います。

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