第3回 「知識構成型ジグソー法」をやってみる

第3回 「知識構成型ジグソー法」をやってみる
【協賛企画】
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 まずは、学校で日々展開されている「各教科の授業」からアプローチします。さまざまな手法がありますが、本校では「知識構成型ジグソー法」を活用しています。

 この手法のベースとなる「協調学習(Collaborative Learning)」という考え方を組織(チーム)で共有します。海外で出会った「Collaborative Problem Solving(協調型問題解決能力)」(第1回参照)を育成する学びといったところです。

 「主体的・対話的で深い学び」は、単なるコミュニケーションのための対話ではなく、他者とのやりとりを通じて自身の理解を見直し、より多面的で深い理解を形成するための対話を目指す学びです。「空気を読んで発言を控える」といった日本の伝統的な対話手法ではなく、「対話によって自身のアイデアがより良くなる」というワクワク・ドキドキ感を共有する場を意図的に設定していく学びです。一人一人が主体的に答えをつくりながら、考えの違う他者との対話を通じて自分の考えを見直し、深めていくような学習過程を教室の中でどう実現していくかという視点で「授業デザイン」をしていきます※1。この「知識構成型ジグソー法」の手法を理解した上で、各教科の「授業デザイン」につなげていきます。

 まず、4月の年度初日に教員研修を設定します。経営方針説明とともに経団連の映像(第3回参照)を視聴します。その後、未来社会に必要な資質・能力を教員間の対話により捉えた上で、この知識構成型ジグソー法による模擬授業を教員自身が体感します。

 知識構成型ジグソー法を体感すると「発問」がポイントとなることに気が付きます。「一人では十分な答えが出ない」問いである必要があること、そして、「仲間と一緒に考えを出し合って、より良い答えをつくってみたい」と思わせる問いを設定することが重要だということにです。ここまで気が付くと授業デザインが「教科」や「学年」という枠を超えていきます。子どもたちがワクワク・ドキドキする発問を考えると、おのずと教科や学年の枠を超えていくのです。

 この状況ができれば、校内での授業研究が活性化します。中学校は教科の担当があるため、校内一斉の授業研究が広がらない傾向にありますが、教科を超えて対話が進んでいくことで理解が深まり、研修の時間が足らないという状況が生まれてくるはずです。

 

※1 CoREF 一般社団法人教育環境デザイン研究所Webサイトより

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