東京都渋谷区立原宿外苑中学校長
「やってみなきゃ分からない」という視点で、「学校の常識」を見つめ直す時期が到来していると感じています。社会の変化により「社会の常識」と「学校の常識」のズレが大きくなってきているように思うのです。
「これからの教師に必要な資質・能力は何か」と聞かれることがありますが、特に必要だと感じることはありません。教師としての基本的な資質・能力があれば十分であると感じています。共に「新たな学び」をデザインする中で、必要ではないかと少しだけ感じていることは以下の通りです。
「目的」をブレなくチームで共有していれば、「手段」は無限にあります。試行錯誤しながら最善策を探っていくことが変革であり、これからの時代には必要であると捉えています。
これまでに経験したことのない「学び」を構築するためには「メンタル」と「スキル」の視点から、戦略的な育成が必要であると考えています。
これまで述べてきたような学びを展開することにより、生徒たちは教科書や教師からの解を待つのではなく、「知っている」ことや「できる」ことを組み合わせて「新しい解」をつくり出すことを経験します。その結果、個々の適応範囲が広がり、さまざまな知識・技能や経験値などを相互に関連付け「可搬性・活用可能性・発展持続性」のある知識・技能を形成できたと考えています。
「原リンピック」は「共生」をテーマに、「パリ2024パラリンピック」や「東京2025デフリンピック」を地域と共に応援するイベントです。企画から運営まで「0(ゼロ)」から中学生が創り上げた体験型イベントです。地域の福祉団体と協創でクラウドファンディングから始まり、イベントの企画立案、参加団体(20団体)への依頼・調整、会場設定、スケジュール管理、当日の生徒ボランティアの招集・運営、広報活動など全てを生徒がプロデュースします。
「探究」を本物の「社会課題の解決」に迫る「学び」として捉えた場合、その解決の手段としてテクノロジー(先端技術)を利活用したSTEAMがあると捉えています。教科の授業や課題解決学習(Project-based learning)で身に付けた資質・能力を最大限発揮することで本物の社会課題に向き合い、多様な他者と協調(collaboration)しながら試行錯誤して解決を目指していくことが重要であると考えています。
知識構成型ジグソー法による各教科の「学び」が広がってくると、生徒に「本物の社会課題の解決がどのようになっているのか」を知りたいという知的欲求が高まってきます。そこで必要となるのが課題解決学習(Project-based learning)です。
学びの変革のための研修時間を十分に確保するため、月に1回授業を午前のみにして、午後を教員研修の時間「Teachers Learning DAY」にしました。
まずは、学校で日々展開されている「各教科の授業」からアプローチします。さまざまな手法がありますが、本校では「知識構成型ジグソー法」を活用しています。
教員は、これまで経験のない「学び」をデザインしなくてはならない状況になります。そもそも教員は、自身の成長過程で「一斉指導」に適合して成功体験を重ねてきた者の集団です。このマインドセットを変えるには、相当のImpactが必要です。「これから時代がどのように変革していくのか」という具体的なイメージを共有するとともに、「どのような資質・能力を、どのような学びでデザインするのか」の具体的な方策を明確に共有する必要があります。
目指すべき近未来の社会の姿「Society 5.0」。2016年に閣議決定され、「第5期科学技術基本計画」において内閣府が提唱した日本オリジナルの概念です。「サイバー(仮想)空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の創造社会(Society)」を意図しています。
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