第8回 「学びの変革」を試みて(生徒の変容)

第8回 「学びの変革」を試みて(生徒の変容)
【協賛企画】
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 これまで述べてきたような学びを展開することにより、生徒たちは教科書や教師からの解を待つのではなく、「知っている」ことや「できる」ことを組み合わせて「新しい解」をつくり出すことを経験します。その結果、個々の適応範囲が広がり、さまざまな知識・技能や経験値などを相互に関連付け「可搬性・活用可能性・発展持続性」のある知識・技能を形成できたと考えています。

 その成果は、全国学力・学習状況調査の結果にも現れています。根拠を持って判断することや自分の考え(思考)を表現することを絶えず行っていることから「思考力・判断力・表現力」が鍛えられ、これに関する設問の正答率が全国平均値からプラス10ポイント近くに上りました。加えて、「知識・技能」についても同程度の向上が見られています。

 こうした結果、生徒たちが課題解決を通じ、さまざまな知識・技能や経験値などを相互に関連付け、「可搬性(持ち運びができ)、活用可能性(課題解決に活用でき)発展持続性(今後の課題解決に使い続ける)」のある知識・技能を得たためではないかと考えています。本校は、中学校入学時に半数が私立中学校に入学している状況にありますが、全国学力・学習状況調査の結果では私立中学校の平均を上回る状況になっています。

 数値上の変化以上に変容が感じられるのは、生徒の「スピーチ」「プレゼンテーション」の様子です。根拠をもって表現できるようになってきていることが実感できています。手持ち原稿なしでスピーチする生徒の表現力に、驚かされることが多くあります。

 物事の本質を捉え、表現する場面も多く見られるようになりました。今年の春、テレビ局の「生徒が学校を紹介する」という「全国中高生ニュース」という企画がありました。リポーターやカメラマンなどを生徒が務め、コンテンツを制作するものです。短時間の打合せの後、数時間で創り上げましたが、そのクオリティーの高さに番組スタッフも驚いていました。

番組TikTokより

番組Instagramより

 「学びの変革」と「部活動の地域移行」の相乗効果による成果であると考えています。このように捉えると「部活動の地域移行」も「社会に開かれた教育課程」の一環として捉えることで、生徒たちに最善の環境を構築できると考えられます。一流のコーチ(本物Authentic)の指導の下で、課題解決学習(Project-based learning)で身に付けた資質・能力を最大限発揮する。この力は将来、社会で活躍する力となるのではないでしょうか。

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