第11回 これからの教員の「授業デザイン力」

第11回 これからの教員の「授業デザイン力」
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 「これからの教師に必要な資質・能力は何か」と聞かれることがありますが、特に必要だと感じることはありません。教師としての基本的な資質・能力があれば十分であると感じています。

 共に「新たな学び」をデザインする中で、必要ではないかと少しだけ感じていることは以下の通りです。

広く社会の情勢をキャッチアップすること

 ワクワク・ドキドキする「授業デザイン」をするには、社会の情勢(トレンド)をキャッチアップする必要があります。そのためには、教員が「学校」という環境の外にも視野を向けることが重要です。教員自身が自分の得意分野で社会に出ていくこと、さまざまな経験や体験を積むこと、そして私生活を充実させることが必要だと感じています。その意味でも働き方改革が急務であると捉えており、特に中学校では「部活動の地域移行」が切り札になると考えています。

 また、情報収集においてはインターネットからだけではなく、新聞を読むことを勧めています。インターネットには、膨大な情報が溢れており「ノイズ過多」であると言われています。特定の情報だけが大きく見え、別の情報が見えなくなる「プリズム効果」もあり、自分の考えに近いものばかりにフォーカスが当たり、関心がない分野への視野が狭くなってしまう傾向があるそうです。

 また、最近では過去の閲覧歴や検索歴に合わせて、表示される内容が変わってくる仕組みになっており、入手する情報が偏る危険性が高いと言われています。このように捉えると、インターネットによる情報の収集は、情報を見極める知識とスキルが問われるため、「上級者のメディア」であると考えることができます。

 その点、新聞は世の中を知るための「基本ツール」であると言われています。一面から順にめくっていけば、政治、経済、国際情勢、文化やスポーツ、国内・地域情報と世の中の動き全体を短時間で俯瞰(ふかん)できるようになっています。この「一覧性」は新聞の最大のメリットです。

 また、「事実」を知る「NEWS PAPER」機能だけではなく、社説やコラムを通してさまざまな「見方・考え方」を知る「OPINION PAPER」としての機能もあります。

 このようなことから、インターネットではなく新聞で「情報収集」する力を鍛える必要があると考えています。それは「物事の本質を見抜くこと」にもつながりますし、「Authenticな学び」を創造するために重要な資質・能力であると捉えています。

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