第7回 子どもたちが学習方法を選択して学びのかじを取る

第7回 子どもたちが学習方法を選択して学びのかじを取る
【協賛企画】
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 「こんな調べ方がしたい」と、提案する子どもたちに育ってほしいと願っています。しかし、さまざまな学習方法を経験していない中では、難しいものがあります。そこで、子どもたちの実態などを踏まえながら学習を深めるためのオプションを準備します。ここでは、第6回で紹介した「あたたかい・寒い土地のくらし」で準備したオプションを紹介します。

  

【調べ方】

・教科書 ・採択されている以外の教科書 ・資料集 ・関連図書 ・パンフレット ・ポスター ・動画

・インターネット ・観光協会の方へ電話 など

【伝え方】

・PC(スライド) ・文章にまとめて読んでもらう ・新聞形式 ・発表(話し言葉) 

・ポスター(手書き・パソコン) など

  

 観光協会、漁業組合などにお願いして、ポスターやパンフレットなどの資料を送っていただきました。教室前の廊下に掲示して子どもたちの興味・関心を高めるとともに、理解を深める場となっていました。

 また、調べても分からないことを直接電話で質問させていただけるように、観光協会の方にお願いしておきました。実際に4人の子が電話で尋ね、調べても分からないことを解決する経験をしました。

観光協会に送っていただいたポスター
観光協会に送っていただいたポスター

 子どもたちが学習方法を選択することで、「インターネットはまとめるときにも活用しやすい。でも、情報が正しいか判断しないと」など、学習方法の特徴についても理解を深め、「次は私も電話で質問する方法を使いたい」など今後の学習への見通しにもつながっていました。

 伝え方についても、子どもたちが選択できるようにしました。パソコンのスライドでまとめている子が多く、「どうして選択したの?」と尋ねると、「資料を見せながら、説明がしやすいから」などと答えていました。手書きの子は、「私はイラストを描くことが得意だから、手書きの方が見る人も興味を持ってくれると思って」などと話していました。こうして伝え方を選択できるようにすることで、丁寧に文字を書くことや絵を描くことなどに抵抗感を抱いている子の不安を低減させることができます。イラストを描くことが得意な子にとっては、自分のストロングポイントを発揮する場となり、多くの子の「やる気」を高めることにもつながります。

 学習内容を深めることはもちろん、設定した目標の達成に向けて自分が選択した学習方法で学びのかじ取りを行うことは、「こんな調べ方がしたい」と提案する子(自律的な学習者)に近づいていきます。

 次回は、「振り返り」について考えていきます。

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