広島県公立小学校教諭
「自己調整学習」は、学習者である子どもが自分の学習過程に能動的に関与している学習です。では、教師は必要ないのでしょうか。私は、これまで以上に教師の役割は大きくなると確信しています。
老子の格言に「授人以魚 不如授人以漁」という言葉があります。「飢えている人がいるときに、魚を与えるか、魚の捕り方を教えるか」という意味です。魚を与える方が簡単です。本人が魚を捕る経験をしないと、魚を捕れるようにはなりません。また、漁をさせておけば、捕れるようになるわけでもありません。魚の捕り方を教えようと思うと、時間も労力もかかります。しかし、1匹の魚を与えるのではなく時間をかけて魚の捕り方を教えることで、その後も自分で魚を捕り続けることができます。
授業の終末に行う「振り返り」は、何のために行うのでしょうか。
「こんな調べ方がしたい」と、提案する子どもたちに育ってほしいと願っています。しかし、さまざまな学習方法を経験していない中では、難しいものがあります。そこで、子どもたちの実態などを踏まえながら学習を深めるためのオプションを準備します。ここでは、第6回で紹介した「あたたかい・寒い土地のくらし」で準備したオプションを紹介します。
単元全体を俯瞰的に捉え、子ども自身が「学びのかじ取り」を行うために活用しているのが「学びマップ」です。「自己調整学習を進めようと思うと、学習のゴールを子どもたちが決めないといけないの?」などの質問を受けることがあります。
「メタ認知」では「自分の理解度はどれくらいか」など、自分自身を俯瞰的に捉えます。目に見えないことなので、簡単ではありません。そこで今回は「メタ認知」をするための手だてとなるツールを活用します。
「自己調整学習」は、学習者が自分自身の学習プロセスに能動的に関わる学習です。「予見段階」では、目標を設定し、学習方法を選択します。「遂行段階」では、学習状況をモニタリングし、調整します。「内省段階」では、振り返りを行い、次の学習への「やる気」を高めます。これらの学習プロセスを学習者自身が行うためには、「メタ認知」が重要になります。
子どもたちが学びをコントロールしていくためには、教師のマインドセットの転換が重要です。
「自己調整学習」についてバリー・J・ジマーマンは「学習者が、メタ認知、動機付け、行動において、自分自身の学習過程に能動的に関与している」学習と説明しています(岡田涼ほか編著、2016)。さらに学習を「予見段階」「遂行段階」「内省段階」の3つの段階で捉えています。
初めまして。友田真(ともた・まこと)です。教師として18年目、今年度は3年生を担任させていただいています。初任の頃から変わらず、「子どもたちのやる気に火をつけ、可能性を伸ばす」ことができる教師を教育哲学に、実践を積み重ねてきました。
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