第4回 住まいと趣味を生かす 先生のための複業の始め方入門

第4回 住まいと趣味を生かす 先生のための複業の始め方入門
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 前回は、私が複業を志すに至った経緯についてお話ししました。今回は私が最初に取り組んだ複業の経験と、これから複業を考えている教員向けにお勧めしたい複業を紹介します。

初めて取り組んだ複業

 私が最初に取り組んだ複業は、自宅と資産運用を兼ねたマンションの購入でした。通勤の時間を利用して不動産屋さんとやりとりをしたり、条件に合う物件を探したりと、かなり複業的な体験ができます。

 また、単なる住まい探しではなく、「資産運用」という視点を持つことで、お金の流れを学ぶ機会になりました。将来的に売却や賃貸に活用できる資産としてマンションを持つことで、経済的なメリットが得られる可能性があります。価値観を含めた諸条件や経済性を加味し、どのような意思決定がベストなのかを考える最初の経験になったと思います。

学事出版『先生が複業について知りたくなったら読む本』より:パパ頭さん作
学事出版『先生が複業について知りたくなったら読む本』より:パパ頭さん作

海釣りYouTuber

 次に取り組んだのが、趣味の海釣りを生かしたYouTubeでの発信です。評価経済について学びたいと考え、

・当時趣味にしていた海釣り

・大学時代に身に付けた動画編集

 を掛け合わせて海釣りの初心者向け動画を配信することにしました。どのように動画の構成を工夫すればいいのか、どのエリアでのどんな釣り方の情報が求められているのかなど、コンテンツ制作の視点やローカルエリアマーケティングの考え方を身に付けることができました。また、授業の場合は学習指導要領に指導する内容が定められていますが、動画の場合はテーマに沿って自由に発信内容を決定できます。受益者に求められるものを提供する「マーケットイン」の考え方を身に付けることもできました。

休日はウェアラブルカメラを付けて撮影に出かける様子
休日はウェアラブルカメラを付けて撮影に出かける様子

お勧めの複業:まずは「自宅」に向き合う

 住まいは最大の固定費です。自分には賃貸か分譲か、戸建てかマンションか、どの選択が合うのかを考えることは、お金の流れを見直す大きな機会になります。今の家賃と同程度の住宅ローンで資産形成ができる場合もあり、慎重な判断が求められます。加えてこんなに大きな取引なのに、自宅を検討する際には兼業の許可申請は必要ありません。

 もし、自宅に関する意思決定が面倒なら、楽しんで続けられる複業を選ぶのも一つの方法です。例えば、趣味を生かした発信活動など、自分に合った形で無理なく始めることが大切です。

 その他お勧めの複業については拙著『先生が複業について知りたくなったら読む本』で他のバリエーションも紹介しています。

 複業選びのポイントは「無理なく継続できそうか」です。すぐに成果が出るものがほとんどないため、自身が行動を継続できそうなトピックにすることをお勧めします。

 次回は、継続した先に得られる「教員が複業を行うメリット」についてご紹介します。

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