第10回 学校こそ、社会変革の鍵。SELのアプローチで目指す世界

第10回 学校こそ、社会変革の鍵。SELのアプローチで目指す世界
【協賛企画】
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 私とSELとの出会いは、「社会起業家を育てたい」という研究に端を発しています。「社会起業家」とは、事業を起こす人だと限定されがちですが、私自身は「チェンジメーカー」と捉えています。

 どのような社会にも、大なり小なり「もっとこうなったらいいな」という課題があります。そうした身の回りにある課題を解決しようと取り組む人の全てが、チェンジメーカーです。私が目指すのは「課題の地産地消」。「生まれては解決する」という循環をその土地で行うことができれば、幸せで豊かな社会の実現につながっていきます。

 人は皆、何かを変える力を持っています。家庭、職場、地域、そして社会。どの場面においても、変化の種はきっと見つけられます。その力を育む鍵を、私は学校に見いだしています。子どもたちが長い時間を過ごす場所。さまざまな価値観が交わる場所。学校という環境が持つ可能性は、計り知れません。

 でも今、教育の現場では限られたスポットライトでしか子どもたちを照らすことができていません。本来、スポットライトは無数に存在するはずです。それぞれの子どもには「こんなことが得意」「これをやってみたい」という思いや可能性があります。学びに関わる大人が可能性を信じ切れていない環境に育った子どもたちは、「自分の可能性ってこんなもの」「どうせ自分にはできない」といった思いが刷り込まれていきます。

 また、一元的な物差しで測られ続ければ、他者との比較が生まれ、自身の欠けている部分に目が向くようになります。その結果、それを埋めるかのように承認を求めていくようになります。こういった承認欲求には限りがありません。時に、社会を巻き込み悲惨な末路を迎えることすらあります。

 私たちの会社roku youのビジョンは、「一人一人の生まれ持った可能性が磨かれ続け、有機的に響き合う豊かな社会をつくる」です。今、私たちは何かに偏った一つの物差しで人の能力を評価することから脱却すべきときを迎えています。

 目指すのは、一人一人の可能性が磨かれ合い、交じわり、新たな価値が創造される世界。その実現のために必要なことは、自然界のように相互に影響し合い、一つの生態系をつくり上げていくような温かな関係性を構築することです。

 繰り返しますが、学校が変われば社会が変わります。学校こそ、鍵。だから、私たちは決して諦めず、学校に伴走し続けます。全ての人が大切な成長の時を過ごし、社会の核となっている学校で、子どもたちの未来を共創していきましょう。(おわり)

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