多くの学校で、夏休みの第1週に、保護者との個人面談が行われるだろう。目的は1学期の子供の様子を保護者に伝えることだ。個人面談をするため、1学期の通知表の所見を省略するという学校も多いと思われる。
保護者との個人面談で留意することは、個人面談実施計画などに細かく載っているので、ここではそこに載っていないと思われることを中心にお伝えしたい。
〇保護者の聞きたいことを話す
保護者との個人面談では、保護者の聞きたいことを話して伝えるのがよい。暑い中、場合によっては休暇をとって来校するのである。学校や学級担任からの一方的な話にならないようにしたい。そのためには、事前に保護者の意向を聞いておく。
例えば、当日の待ち時間などに、次のような質問紙にいくつかチェックをしてもらう。チェックする数は3つから4つとし、時間に余裕があればさらに話すようにする。
(1)授業内容の理解-国・算・他 (2)授業態度 (3)よく遊ぶ友達 (4)休み時間の様子 (5)生活態度 (6)忘れ物 (7)宿題 (8)給食 (9)その他
チェックされた項目から伝えることで、保護者も関心のあることをまず知ることができる。夏休みの確認事項や担任から伝えておきたいことは、この後に話す。
〇保護者の話したいことを聞く
こちらから話すだけでなく、保護者の思いを聞いたり、家庭での子供の様子を聞いたりすることも心掛けたい。話を聞いて欲しい保護者もいるし、家庭の様子を聞くことで今後の指導の参考とすることもできるからだ。
そのためには、一つの話題について伝えたら必ず、「ご家庭ではいかがですか?」と尋ねるとよいだろう。例えば、算数の成績について伝えた後で「ご家庭でも算数は難しいと言っていますか?」「算数が得意ですから、宿題も簡単そうですか?」などと尋ねる。
そして話を聞きながら、家で子供を目の前にしている保護者になりきって子供の様子を想像してみる。すると、保護者の気持ちが何となく分かってくる。その保護者の気持ちを共感的に伝えるようにする。
例えば「なかなか宿題が終わらないのを見ていると、分からないのかなと心配になりますよね」「時間があるなら、もっと他の勉強もしてほしいと思ってしまいますね」など。そこからまた話題が広がることもあるだろう。
〇資料の準備
個人面談の資料は、1学期に蓄積したものを用いる。チェックリストを使うなら、リストの項目についての資料をそろえる。
今からそろえるのは時間的に難しいが、「よく遊ぶ友達」「休み時間に何をしているか」「給食の完食の程度」「好きなメニュー、嫌いなメニュー」「楽しかった思い出」などは、ちょっとした時間で子供に書いてもらうことができる。
休み時間や給食の時間、授業中の写真が3、4枚あると、保護者にも喜ばれる。
〇座席の配置
保護者と視線がぶつからないよう、90度の位置関係で座るとよい。さらに、保護者の視線の先に花を置いたり、保護者の席から窓外の景色が見えるようにするとよい。