論作文の準備と練習の在り方 キーワードの理解から

論作文の準備と練習の在り方 キーワードの理解から
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論作文対策は、一朝一夕ではできないもの。来夏の受験に向けて、今から準備、練習に取り組まなくてはならない。そのポイントを見てみよう。

キーワードを理解し覚える

論作文では、教育時事などがテーマとなったり、執筆の際に使用したりすることになる。従って、教育時事に関するキーワードをしっかり学ぶ必要がある。キーワードの多くは、教育施策に関連しており、中教審の答申や文科省の通知などに含まれている。例えば、学習指導要領の関連では、「社会に開かれた教育課程」「主体的・対話的で深い学び」「カリキュラム・マネジメント」「小学校英語の教科化」などがある。まずは、答申を読み、そのキーワードがどのような意味を持っているのか、どのように使われているのかをしっかり理解し記憶しなくてはならない。キーワードを理解するための中教審の重要答申を表にまとめておいた。文科省のサイトでダウンロードし読み込んでおこう。なるべくプリントアウトして、線を引きながら読むとよいだろう。また、戦後のわが国の重要な教育施策も一覧にしておいたので、こちらも参考にしてもらいたい(年代順に順次掲載)。

資料などの集め方

採用試験の論作文執筆で役立つ資料はどのように集めたらよいのか。やはり文科省のサイトが宝の山である。学習指導要領をはじめ、各種答申、通知・通達などが手に入る。学校基本調査、問題行動調査などの調査結果やデータも収載されている。有効に活用したい。国立教育政策研究所のサイトには、国際的な学力調査の結果、国内の教育課程実施状況調査などがあり、役に立つ。受験する自治体(教育委員会)のサイトも調べておこう。学校や教育に関する各種データが分かるほか、教育振興基本計画などで教育施策の方針などをつかんでおくとよい。資料は集めては読み、また集めては読みの繰り返しが重要である。何が重要なのか分かるようになってくる。

すぐに何が書かれているのか分かるように

ここだけは押さえておいた方がよいという、論作文執筆の基本は何か。文章は読むように書くのではなく、見えるように書くのがポイントである。見てすぐに何が書かれているのか分かるように書く。段落をきちんと取って、箇条書きなども適宜取り入れて、一文はできるだけ短く切って書く、これができるよう、繰り返し練習しよう。パソコンで打つのもよいが、実際に鉛筆で書く練習もする。その場合、なるべく濃い鉛筆を用いて、大きな字でしっかりと書こう。段落もなく、細かい字で用紙をびっしりと埋め尽くすような書き方をしてはならない。

採点官の目を引く書き方は

採点官の目を引き、他と差を付けられる論作文の書き方はどのようなものか。採点官は何を見るのか。それは、受験者が正解を書けるかどうかではない。指導を具体的に考えられるかどうかである。そこで、できるだけ文章の冒頭から実践の話に入るよう執筆の練習をしておこう。論作文の内容は必ずしも正解である必要はない。こんな実践をやってみたいという熱い思いを伝えるようにしたい。現今の社会状況を説明したり、学校教育の状況を憂えたりする必要はない。評論家ではないのである。

効果的な執筆の練習は

効果的な執筆の練習はどのようなものか。初めのうちはテーマを決めたら、よく調べ、よく考えてから書くようにしてもよい。だが、徐々にすぐに書き始めるようにしていきたい。つまり考えてから書くのではなく、書いてから考えていくような練習である。本番はテーマを提示され、限られた時間で書かなくてはならない。それに合わせて、すぐに執筆に取り掛かれるような練習をするとよいだろう。ともかく書き始める。次に形を整えていく。段落取り、単文・短文化、箇条書き、といった形を整える。それから内容を整える。抽象論や美辞麗句ばかりになっていないか、具体的な話で書いているだろうか、などをチェックしていく。また、欲張らずに論作文のテーマは絞って書くとよい。同じテーマで、何度も書いて、書き直してみよう。すると、どのようなテーマでも書けるようになってくる。

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