皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。今回は、学習指導要領の内容として「総則」について解説してみたいと思います。
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学習指導要領中で筆記試験において出題の頻度が一番高いのが、「総則」です。指導要領では、総則は別掲の通り6項目にわたって整理されています。第1 小学校(中学校、高等学校)教育の基本と教育課程の役割」においては、特に2の項目が重要です。「生きる力」の育成に関連して、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の育成が示されています。続いて、「育成を目指す資質・能力」では、答申でも示された「資質・能力の三つの柱」について整理されています。「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の3つについては、その内容も含めて指導要領解説などで確認することが大切です。最後に、4の項目で示された、「カリキュラム・マネジメント」も用語として重要です。総則の「第2 教育課程の編成」では、2の項目「教科等横断的な視点に立った資質・能力」が重要です。言語能力や情報活用能力、問題発見・解決能力などの学習の基盤となる資質・能力の育成や現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力の育成において、教科等横断的な視点で育成していくことが示されています。続いて、内容・授業時数の取り扱いと実務的な事項が示されますが、内容の取り扱いについては、学習指導要領の最低基準性が明記されています。授業時数の取り扱いに関しては、授業の1単位時間は各学校が適切に定めること、10〜15分間程度の短い時間を単位とした特定教科の指導を一定条件下で各教科の授業時数に算入できること(前回改訂で中高で可能、今回改訂で小でも可能になった)、総合的な学習の時間と学校行事の同時実施の3点がポイントです。総則の「第3 教育課程の実施と学習評価」は、「第1」に続いて重要で、この中で示されている「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」の項目については、論文や討論のテーマともなる重要な内容なので、自分ならばどのように取り組むかという、実践についてもイメージしておく必要があります。また、「主体的・対話的で深い学び」がそもそもどのような学びを指すのかについては、指導要領解説などで確認しておきましょう。総則の「第4 児童生徒の発達の支援」の項目までが、試験に頻出の分野です。この項目では、特に障害のある児童生徒への支援について、特別支援学級の教育課程に「自立活動」を取り入れること、通級指導の教育課程で「自立活動」を参考にした指導を行うこと、特別支援学級・通級指導では、個別の教育支援計画・個別の指導計画を作成すること(左記以外は2つの計画は作成に「努める(=努力義務)」)の3点を押さえておきましょう。
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上記をもとに、試験対策のなるべく早い段階で学習指導要領の本文を読み込み、ポイントを押さえ、指導要領解説で確認するようにすると、理解が進むはずです。
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