【教採合格体験記(10)】奈良ひとみさん

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奈良ひとみさん(千葉県/中高・英語/2022年度採用)

筆記試験対策で工夫したこと

 私は大学卒業後に民間企業に勤務した後、専業主婦となって子育てをしながら教員免許を取りました。その後は、私学の非常勤講師などをしていましたが、やはり公立学校の教員になりたいと考え、「絶対に1回で合格する」との強い決意の下で受験しました。

 教職・一般教養対策は当初、通信講座の教材を使っていましたが、採用試験は自治体によって出題傾向が異なります。千葉県の過去問を分析してみたところ、一般教養の出題が少なく、教育法規や学習指導要領、ご当地問題などが多いことが分かったので、そうした領域に重点を置いて対策しました。特に学習指導要領の総則からはよく出題されていたので、スマホに音声を吹き込んでの「シャドーイング」もしました。また、専門教養については英検1級の問題集を活用し、4月頃から毎朝20分間、コンスタントに学習を重ねました。

面接・模擬授業・実技対策で工夫したこと

 受験年の4月から、私は公立中学校に臨時的任用教員として勤めていました。そのため、面接対策は勤務校の管理職や英語科主任の先生にお願いする形で模擬面接を重ねました。また、千葉県の教職員組合が実施する対策講座、県内の元校長先生が主宰する「暁教師塾」の対策講座にも参加しました。面接はいくら対策を重ねても、必ず想定外の質問が来ます。そのため、自分自身の教育観・教師観をしっかりと固め、困ったときはそこに立ち返って回答するよう心掛けました。

 2次試験は個人面接の他に、英語での面接、模擬授業、実技がありました。英語での面接と模擬授業についてはオンラインの英会話講座を受講し、日本の学校に勤務した経験のある人に指導してもらいました。実技は「外国人講師との授業づくり」なのですが、とにかく情報がなかったので、前年度に受験した人などから情報を得ながら本番に備えました。

「教育新聞」の活用方法

 私が試験対策において意識していたのは、単に知識・技能を高めるだけでなく、自分の言葉で説明できるレベルまで理解することです。その上で役立ったのが教育新聞で、「GIGAスクール構想」や「令和の日本型学校教育」などのキーワードも、教育新聞の記事を通じて理解を深めました。また、紙面版も購読していたので、役立ちそうな連載記事は束ねて保管しておき、試験直前に見返すなどしていました。

 余談ですが、勤務校(2021年度)はICTの活用に積極的で、私自身もTeamsを使った授業などをしています。そうした日々の中で、教育新聞のGIGAスクール関連記事などはとても興味深いものがあり、日々の仕事にも役立ちました。

受験者へのアドバイス

 民間企業勤務などを経て、40~50代で合格するのは大変だという話はいろいろな方から聞いていました。そのため、筆記試験で満点近くを取らなければ1次は通過できないと考え、本番に臨みました。

 私自身、民間企業での経験や子育ての経験が、今の仕事に生きています。フットワークの軽さでは20代の先生にかないませんが、年齢に応じて果たせる役割があるのが教師という仕事です。だから、いろんな立場の方、いろいろな経験のある方に教師を目指してほしいと思っています。

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