日常の指導のポイント 面接の質問にどう対応(17)「次年度への意欲付け」にどうする

日常の指導のポイント 面接の質問にどう対応(17)「次年度への意欲付け」にどうする
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 日々の教育活動に関する面接の質問にどう対応するか、連載第17回は、「次年度への意欲付け」を取り上げる。 

質問23

 あなたが担任をしている学級も1年間無事に過ごすことができて、年度のまとめをする時期となりました。子供たちに次年度への意欲を持たせたいと思います。どのような取り組みをしますか。

ポイント

 年度のまとめは重要である。子供たちにとっては、ステップアップに期待を持ったり、「よし、来年度こそは」とある意味のやり直しに期待を持ったりするときである。学級担任としては、どの子にとっても次の学年へのよい節目になるようにしてあげたい、と思うことだろう。
取り組み方はいろいろあるが、通知表を生かしたものを取り上げる。

 通知表作成に当たっては、所見欄などで、その子供なりに伸びたところを知らせるようにしたい。年度末ともなると、どうしてもその学年の到達目標などが気になり、その子供なりのよいところが見えなくなることが往々にしてあることは否めない。そんな時こそ他の子供と比べるだけでなく「その子供なりに伸びたところ」を見つけて伝え、気付かせてあげることが次の学年への意欲につながる。例えば、忘れ物をしなくなったのは連絡帳にきちんと書けるようになったから、などである。

 また、子供の「頑張った」という思いに共感してあげるのもよいだろう。前述のように普段はあまり取り上げてもらえないようなことを教師が取り上げ、その努力を価値付けてあげることは大切なことである。加えて子供自身が「頑張った」と思っていることに共感してあげるのも進級への意欲につながる。そのためには、「1年間の自分や友達に対する自己評価、相互評価」をさせる必要がある。自分で頑張った、よくなったと思うことを書かせたり、友達の頑張ったところを見つけて書かせたりして参考にするとよいだろう。

 幅広い視点で1年間を振り返ることも重要である。学習、生活、学級活動や行事などについて、目に見えたり、できるようになったりしたことばかりにとらわれず評価するとよい。学習であれば、楽しく、進んで、丁寧に、根気よくなどの視点、さらに友達と学び会う姿勢、発想の豊かさなどである。思いやりを示した場面などもきちんと取り上げたい。

 「通知表を作成する際、所見欄などにおいて『その子供なりに伸びたところ』を見つけて伝え、気付かせてあげるような記述をしたいと思います。他の子供と比較してはではなく、その子なりのよいところを見つけて知らせるようにします。また、自己評価、友達との相互評価を書かせるようにします。自分や友達が頑張ってきた点に気付かせ、今後の意欲につなげます。さらに評価の際には、できるようになったことなどにとらわれず、学習であれば楽しく、進んで、根気よくなど幅広い視点で評価をしていきます」などが回答例となる。

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