【面接の○回答×回答(184)】一人一人の良さを把握する

【面接の○回答×回答(184)】一人一人の良さを把握する
【協賛企画】
広 告
問い

児童(生徒)一人一人の良さを把握するために、あなたはどのようなことを心掛けますか。

〇回答

日頃の学習状況や生活の様子を観察し個別に記録します。何が得意で何が苦手か。個人や集団の中での様子はどうか。「おやっ」「なるほど」と思ったことを記録し整理します。発言や机間巡視時の様子を見逃さず、その背景を考えます。何気ないしぐさや言葉の中にその子らしさが見えてきます。 それを見逃さずに褒めてやる気につなげます。また、子供の話を良く聴くことに集中します。相手の顔を見て、相づちをうちながら聞きます。さらに、作文やレポートなどの課題の内容からも良いところを見つけて赤ペンを入れて褒めます。

【コメント】

この回答はその子らしい良いところを見つけようとしています。単に良さだけではなく、児童(生徒)理解の方法まで幅広く考えられています。小さなことでも具体的な事実に基づいて褒めて伸ばそうとしています。さらにこの回答を良くするには、担任には直接見ることができない情報の得方にも触れると良いでしょう。教科担任や部活動の顧問など授業や諸活動などの実態を把握する視点を加えるのです。

×回答

私は子供を多面的に知ろうと考えています。子供と話したり話を聞いたりする面接の時間をつくります。自分の良いところを聞きます。個人ノートやアンケートを活用して良さを知ろうとします。また、個々の作品をよく見ます。そこからその子の良さを捉えます。提出物や作品には、課題への取り組み方や内容の良さが見て取れます。

【コメント】

この回答の方法は間違いではありません。しかし、「子供を多面的に知る」と大事なことを挙げておきながら、内容に偏りがあります。最も重要な視点が抜け落ちています。面接や作品よりもすべきことがあります。子供たちが毎日あなたの前に登校してきて、あなたに教えてくれていることがあるでしょう。学校での活動状況を見たり、関わったりして敏感に感じ取る方法を述べるのです。それには日頃から意図的に良い人間関係をつくり、研ぎ澄まされた観察眼を持つ努力を重ねることが求められます。

元東京都公立学校長・塚田亮

広 告
広 告