日常の指導のポイント 面接の質問にどう対応(18)「保護者との面談」をどうする

日常の指導のポイント 面接の質問にどう対応(18)「保護者との面談」をどうする
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 日々の教育活動に関する面接の質問にどう対応するか、連載第18回は、「保護者との面談」を取り上げる。

 (質問24)

 保護者との信頼関係を築くことは、教師として最も重要なことの一つと言えます。保護者との面談を適切に実施し、保護者との信頼関係を築くために、あなたはどのような取り組みをしますか。

 (ポイント)

 若手教員の中には、保護者との付き合いがどうも苦手である、という者が少なくない。保護者面談がやはり重く感じるものであることは確かである。社会人として、教員として、適切な面談を行うにはどうしたらよいか。

 まずは、服装。普段の授業のようにジャージでというのは避けて、身だしなみをきちんと整えたい。その際のポイントは、清潔、上品、控えめという3点だ。洗い立てで、アイロンのかかったワイシャツを着ること。女性教師は、派手なアクセサリーは避けてほしい。

 次に、面談に必要な資料、情報をきちんとそろえること。当日面談を行う児童生徒の学習記録、生徒指導記録などをそろえ、事前に目を通し、個々の課題を捉えておくことが求められる。このように資料をそろえるということは、自らの発言に根拠を持たせることに有効であり、自分の指導や考えについて説明する際に必要となる。

 面談の目的、時間配分を確認することも重要。保護者面談は時期によって目的が異なるので、そのときの目的を確認する。また、定期のものではなく、保護者の申し出などによって行う場合は、何を課題として話し合うのかを押さえておく。

 「相手の話をよく聞く」ことが重要だが、時間は守らなくてはならない。定期の面談は1日に数人と話し合うことが多いので1人当たり10~15分が適当となり、これを守る必要がある。

 実際の面談のポイントを以下にあげる。

 ▽話しやすい雰囲気を作る。あいさつからスタートし、リラックスさせるような言葉を掛ける。

 ▽視線は相手の目と顔全体に置く。面談中は姿勢をきちんとし、視線は相手の目と額辺りに置く。

 ▽メモを取る。要点を順序良く整理して書く。

 ▽気持ちよく面談をしてもらうには、相手の話の適当なところでうなずき、話を聞いていることを示す。

 ▽不明な点、分からないところがあれば、質問して確認する。

 ▽軽率に受け答えしない。安請け合いすると、トラブルのもとになる。

 ▽感情的に、また威圧的にならないようにする。

 ▽言葉遣いを正し、的確に要点を押さえて話す。

 ▽児童生徒のことを一方的に断定せずに、保護者の言い分を聞く。

 ▽長所ばかりではなく、改善した方がよい点も指摘する。

 ▽質問されて、そのときに答えられないことがあったら、後日必ず回答する。

 若い教員の場合、やはり保護者に不安感を持たせてしまう可能性がある。そのためには、不確かな情報、確信のないことは言わない、ということを徹底した方がよい。

 中学や高校は教科担任制で、1人の生徒を複数の教師で見ている。その利点を生かし、自分が担任している生徒のことについて、事前に他の教員から十分に情報を得ておくとよいだろう。

 そして、学校での状況を一方的に話すのではなく、家庭での生活や学習の様子、変容などについてゆとりをもって耳を傾けていけばよい。何よりも、児童生徒のための話し合いであることを忘れないようにしたい。そのために、教師は普段より個々の児童生徒の努力している点、成長を感じさせる点などに気付き、それを保護者に的確に伝えられるような練習を心掛けたいものである。

 「保護者と面談する際、まずは、身だしなみをきちんと整えます。当該の児童生徒の学習記録、生徒指導記録などをそろえ、事前に目を通してから面談に臨みます。あいさつをきちんとして、できるだけリラックスさせるような言葉を掛けるようにしまう。面談中は言葉遣いを正し、的確に要点を押さえて話すとともに、メモもきちんと取っておきます。児童生徒のことを一方的に断定せずに、保護者の言い分を十分に聞き、児童生徒のための話し合いであるということを共通認識として進めていけるように努力します」

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