日常の指導のポイント 面接の質問にどう対応(19)「問題行動・いじめ」をどうする

日常の指導のポイント 面接の質問にどう対応(19)「問題行動・いじめ」をどうする
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 日々の教育活動に関する面接の質問にどう対応するか、連載第19回は、「問題行動・いじめ」を取り上げる。

 (質問25)

 覚悟はされていると思いますが、あなたが担任を持ったら、いじめと向き合わなくてはならないことは間違いのないことです。いじめに対する考えと実際にどのように対応しようと考えているか教えてください。

 (ポイント)

 問題行動、中でもいじめはやはり学校現場の最も大きな課題であるので、ここで改めて焦点を当てることにする。自分がどのように捉えているかはしっかりと考えておくとよい。

 いじめを理解する上で大切なことは、いじめが集団による行動を伴っているということが多いということである。その集団についても、構造的な問題を含んでいる。いじめはいじめる側といじめられる側の両者のみで成り立っているのではなく、いじめの行為を見ていじめをはやし立てたりするいわゆる「観衆」と呼ばれる立場もいじめる側である。さらに、そうしたいじめの行為を見て見ぬふりをする「傍観者」と呼ばれる立場もいじめる側なのである。

 こうした状況を踏まえて、学級経営といじめ問題を考えていかなくてはならない。学級全体を通して、いじめは人権に関わる重大な問題であるという理解と、いじめを絶対に許さないという雰囲気を醸成していくことが大切になってくる。

 では実際にいじめが発覚した場合、どのように対応するのか。

 いじめが起きたときに教師にとって大切なことは、その問題が深刻化しないよう対応することである。そのためには、日頃からいじめを絶対に許さないという学級づくりを進めるとともに、子供たちの小さな変化を見逃さない感性が求められる。特にいじめられている子供の出すサインの受け止めが早期発見、早期指導と解決につながる。

 いじめを受けている子供は、いじめを受けていることに関して何かしらのサインを発している場合が多い。いつも以上に教師のそばに寄ってくる子供もいれば、反対にいつもならそばに寄ってくるのに何か教師を避けようとしているということもある。いつも休み時間に一緒に過ごしている友達と一緒に過ごさなくなる、外へ出ずに教室に残るようになるなど、常とは異なる行動をすることもある。いずれも友人関係などに変化が起きているということを読み取らなくてはならない。

 その後の子供たちの生活の様子を観察するとともに、十分な配慮の下、関係する子供たちと話をしたり、他の教師に相談したりしながら情報を収集することが大切だ。

 子供によっては「先生、私はいじめられています」と直接訴えてくることもある。訴えるまでに、本人は大変悩んでいたであろうということが予想される。この悩みをしっかりと受け止めなくてはならない。こうした場合、聞き出すというよりは話しやすい環境をつくってあげることである。「苦しかっただろうね。相談してくれて良かった」といった姿勢で対応することが必要である。

 いじめの問題ばかりではないが、大切なのは一人で抱え込まないということである。同学年の教師、管理職、または養護教諭などと相談するとよい。学校は組織として学校教育を推進していくものである。

 「いじめは集団による行動を伴っているものと捉えています。いじめる側、いじめられる側だけではなく、はやし立てる者、傍観する者もいじめる側と考えます。学級全体に、いじめは人権に関わる重大な問題であるという理解、いじめを絶対に許さないという学級づくりを徹底していきます。担任として小さな変化を見逃さない感性を持ち、子供たちからのサインを見逃さないよう努力します。いじめを捉えたら、その子供から十分に話を聞き、悩みをしっかりと受け止めます。また、十分な配慮の下、関連する子供たちから情報を収集して状況を把握します。具体的な対応については一人で抱え込まず、学年主任、先輩の先生、校長など管理職の先生に相談して、組織で対応していきます」などが回答例となる。

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